NISA(読み)にーさ

共同通信ニュース用語解説 「NISA」の解説

NISA

少額投資非課税制度(NISA) 株式投資信託などの売却益配当益に税金を課さないようにする制度略称は「ニーサ」と読む。英国の制度「ISA」(アイサ)をモデルにし、2014年に始まった。上場株式などを購入できる一般型と、分散投資に適した投資信託を対象とする積み立て型がある。24年から年間投資額が引き上げられたり、非課税期間が無期限になったりするなど制度が拡充される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「NISA」の意味・わかりやすい解説

NISA
にーさ

株式や投資信託に少額を投資して得られた配当や譲渡益に一定期間税金がかからない少額投資非課税制度の愛称イギリスで1999年に始まった個人貯蓄口座(ISA:Individual Savings Account)を手本としたため、ISAに日本(Nippon)の頭文字をつけてNISAとよぶ。日本では、満20歳以上を対象とする「一般NISA」が2014年(平成26)1月から、未成年者向けの「ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)」は2016年4月から、毎月リスクの少ない投資信託に投資する「つみたてNISA(つみたて少額投資非課税制度)」が2018年1月からそれぞれ導入された。証券会社や銀行などに専用口座をつくると、運用後の売却益、配当金・分配金等への課税が、本来は20%になるところを一般NISAとジュニアNISA(2019年~2023年投資分は名義人が20歳になるまで)は5年間、つみたてNISAは20年間免除になる。非課税措置を受けられる投資上限額は一般NISAが年間120万円、ジュニアNISAが年間80万円、つみたてNISAは年間40万円。家計の資産形成を促すと同時に、預貯金に偏りがちな個人金融資産を、経済成長を支える投資へ向かわせるねらいがある。

 非課税の優遇期間は、一般NISAとジュニアNISAは2023年末まで、つみたてNISAは2037年末までに限られている。当初、イギリスのISAも優遇期間が限定されていたが、恒久制度に変更された。日本でもNISAを恒久化すべきであるとの声が証券界などから出ている。NISA口座を開設できるのは満20歳以上(ジュニアNISAの名義は0~19歳)で、所得制限はない。投資対象は一般NISAとジュニアNISAが株、投資信託、上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)等で、非課税枠内で自由に変更可能である。つみたてNISAは金融庁が認めた低リスクの投資信託とETFへの投資に限られ、毎月一定額を投資する定時定額買付方式をとる。一般NISAとジュニアNISAは手数料がかかるが、つみたてNISAは手数料がかからない。一般NISAは非課税措置の5年間が終了しても、非課税枠が残っていれば6年目以降に繰り越し可能。なお、NISA口座は一人につき一金融機関でしか開設できず、一般NISAとつみたてNISAは同時に利用できない。開設時に税務署に申告し「非課税適用確認書」を取得する必要があるが、金融機関に住民票などを提出すれば代行してくれる。口座数は一般NISAが約1142万、つみたてNISAが約103万、ジュニアNISAが約31万(2018年末時点)。

[矢野 武 2019年12月13日]

その後の動き

2022年(令和4)4月に民法で成年年齢が引き下げられたことに伴い、2023年1月1日以降に設けられる口座の対象年齢は、NISA口座が「20歳以上」から「18歳以上」に、ジュニアNISA口座が「20歳未満」から「18歳未満」に引き下げられた。2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満(2002年4月2日~2004年4月1日生まれ)の者については、同日付けで、運用管理者は親権者から本人に変更となる。ジュニアNISA口座を開設している人が18歳~20歳で2023年1月1日時点を迎える場合、自動的に一般NISA口座が開設される(2022年の間は、満18歳であってもジュニアNISA口座のままとなる)。2021年6月末時点の口座数は、一般NISAが約1237万、つみたてNISAが約418万、ジュニアNISAが約57万となっている。

[編集部 2022年5月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例