トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTTなど国内の主要な225社の株価を基に算出する指数。東京証券取引所第1部上場企業から選定し、構成銘柄は定期的に見直している。東証が1950年9月に指数の算出を開始。70年に日本経済新聞社が引き継ぎ、現在は日経平均株価と呼ばれて日本を代表する株価指数となっている。指数は49年5月までさかのぼって計算している。終値の史上最高値は89年12月29日につけた3万8915円87銭。
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複数の銘柄を対象におのおのの株価を集計し、その算術平均を求めたもの。一般に、平均株価を計算する目的は、株式市場全体の株価水準や変動傾向を把握するためであり、その意味で平均株価は株価指数の原型をなすものである。平均株価には、その計算方法によっていくつかの種類があるが、個々の株価を合計し銘柄数で除して求める、いわゆる「単純平均株価」がもっとも基本的な姿である。しかし、単純平均株価には、計算が簡単で現実に市場で形成されている水準に近い値で金額表示される長所がある反面、いくつかの問題点も指摘される。
まず、計算対象銘柄のなかに極端な値嵩株(ねがさかぶ)(株価が高い銘柄)が含まれていると、平均株価はその株価変動に大きく影響を受けてしまうという点があげられる。この問題点を解決しようとする計算方法が「加重平均株価」である。加重平均株価は、個々の銘柄の株価に発行済株式数を乗じた値を銘柄数で除して求める。発行株式数でウェイトづけすることから加重平均とよばれる。値嵩株は総じて発行株式数が少なく、低位株(株価が低い銘柄)は一般に発行株式数が多いため、加重平均には一部値嵩株の過剰な影響を抑制する効果が期待される。
次に、単純平均株価は、増資権利落ちに代表される資本移動の修正が行われていないため、連続性に欠ける問題がある。これを修正して連続性を維持し、時系列分析を可能にするのが「修正平均株価」である。修正平均株価を求めるための代表的な計算法が「ダウ式修正平均法」で、採用銘柄の株価合計を恒常除数(権利価格とよばれる権利付最終株価と権利落ち理論株価との差を基に計算したもので、計算開始時点の恒常除数は銘柄数に等しい)で除して求める。ダウ式の計算による平均株価としては、ニューヨーク・ダウ(ダウ工業株30種平均)や日経平均株価が代表的存在である。
一方、ダウ式修正平均株価は、単純平均の連続性問題を解決するものの、値嵩株の影響は原則として残る。そこで、資本移動修正と発行株式数加重の考え方をあわせて計算されるのが「東証株価指数」(TOPIX(トピックス))などである。ここで、TOPIXが平均株価でなく株価指数とよばれることには注意が必要である。株価指数は、基準時点(TOPIXの場合は1968年1月4日)を定め、そこをくぎりのよい数字(TOPIXの場合は100)として表示されるため、厳密にはもはや平均株価ではないからである。簡単に両者の違いを示せば、単位が金額(円・銭やドル・セント)で表記されるものが平均株価であり、ポイントで表記されるものが株価指数である。
[高橋 元]
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…平均株価は株式市場全体の動向をみる指標として重要なものであるが,単純に現状の形成株価で平均すると,新株権利落ちや配当落ちなどでプレミアム分が安くなることにより連続性が途絶え,指標としては不完全なものとなり,長期に利用しえなくなる。この変動要因を修正し,連続性をもたせるため考案されたのが,ダウ式平均株価(ダウ平均株価,あるいはダウ平均ともいう)である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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