皮膚のすべての部位にできる黒色の色素斑です。いわゆる“ほくろ”は小さい点状のものを指し、“黒あざ”はやや面積のあるものを指します。これらは平らなものからやや隆起したもの、発毛を伴うものから伴わないものまでさまざまです(図68、図69)。
点状のほくろは生まれた時にはわからないのが、あとになって次第に数が増えてきます。これに対し黒あざは生まれつきあることが多く、時に広い範囲にできたり(先天性巨大色素性母斑)、また剛毛を伴ったり(
最初に黒かったものが次第に褐色から皮膚色になる経過をたどるものもあります。
特徴的な
とくに日本人で悪性黒色腫の発生が多い手掌(手のひら)、足底(足の裏)に成人以降にできた色素斑に気づいたら、専門医とよく相談してください。これらの確定診断は、切除したほくろを病理組織検査することでつくので、切除を受ける場合は病理検査も行うことをすすめます。
また、最近ダーモスコピーという専用の拡大鏡のような機器で病変部を観察することで良性・悪性の見分けがかなりできるようになりました。
一般には整容面(見た目)の問題が主になります。治療は外科的に切除するのが一般的です。メスで切除して
くり抜きは顔面ではあまり目立たないことが多いようですが、他の部位ではくり抜いたところの傷跡が目立つ場合もあります。ただレーザー治療では多くの場合、病変部を焼きとばすので、病理組織検査を行えません。悪性黒色腫と見分けがつきにくい場合もあるので、レーザーを選択する場合は担当医の十分な診断力が必要とされます。また、レーザーによるくり抜きを顔面以外で行った場合、意外にその傷跡が目立つ場合があるので、治療前に担当医と十分相談してください。
生まれつきの大きな黒あざは悪性黒色腫の合併も視野に入れて治療しますが、大きなあざをとったあとの処置を考えると完全に切除することが困難な症例も多くあります。切除後の治療として植皮したりしなければならず、時にかなり負担の大きな治療になります。大学病院や総合病院の皮膚科、形成外科などで相談するのがよいでしょう。
小さいほくろは気にならなければそのままでよいでしょう。見た目が気になる場合は皮膚科、形成外科で相談してください。
なお、とくに成人以降に急にできて、色の変化や大きさの変化が激しい場合、色の濃淡が強い場合、色素斑の境界がはっきりしない(ぼけている)場合などは、たとえ小さくても悪性黒色腫の可能性もあるので早めに受診してください。生まれつきの大きい黒あざも生後早めに医師と相談してください。
安田 浩
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
通例アワ粒大から大豆大の褐色ないし黒褐色を呈する最小の母斑(ぼはん)細胞母斑である。周囲の皮膚から種々の程度に膨隆する。出生時にみられることはまれで、普通3、4歳ごろまでに生じ、その後もしだいに増えるが、成人するにつれて増えなくなり、消えていくものもある。また成人後に生ずるものもある。
[川村太郎]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
「シュンラン(春蘭)」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本で最も普通に見かけるラン科の地生ランで,ホクロ,ジジババの異名もあり,昔より親しまれている(イラスト)。地下に偽球茎があり,偽球茎上に葉を叢生(そうせい)する。…
※「ほくろ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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