ソクズ(読み)そくず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソクズ」の意味・わかりやすい解説

ソクズ
そくず
[学] Sambucus chinensis Lindl.
Sambucus javanica Reinw. ex Bl. subsp. chinensis (Lindl.) Fukuoka

スイカズラ科(APG分類:ガマズミ科)の多年草。地下茎を出して殖えるため、群落をつくる。茎は太く、直立して1~1.5メートル。葉は対生し、5~7枚の小葉からなる羽状複葉をなす。茎の先に径10~15センチメートルの散形花序をつける。花序には杯(さかずき)形の腺体(せんたい)がある。花は白色で小さく径3~4ミリメートル、花冠は5裂する。雄しべの葯(やく)は内側を向く。子房は3室。果実は球形で径約4ミリメートル、赤く熟す。人里近くの原野に生え、北海道南部、本州から九州、および中国、東南アジアなどに広く分布する。名は、中国名のサクダク(蒴藋)から転訛(てんか)したものという。またニワトコに似ていて草であることから、クサニワトコともいう。葉や根を乾燥させて煎(せん)じたものをリウマチなどの薬とする。

[福岡誠行 2021年12月14日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソクズ」の意味・わかりやすい解説

ソクズ
Sambucus chinensis

ガマズミ科の多年草で,山野に生える。根茎を伸ばして繁殖し,しばしば大きな群落をつくる。茎の高さは 1.5mに達し,緑褐色で太い。葉は 5~7枚の小葉からなる羽状複葉で対生し,ニワトコに似ている。夏,茎の先に大型の散房花序をつけ,径 3~4mmの白色の小花を密生する。葉や根を乾燥してリウマチや腫物などの薬用にする。同属のニワトコとよく似ているが,ニワトコは木本性である。

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