食品や日用品、サービスがイスラム法の規定に合致しており、イスラム教徒が安心して食べたり、使用・利用したりできることの保証。ハラールとは「許されるもの」を意味するアラビア語で、ハラール認証されたものは、教徒の生活規律を定めたイスラム法(シャリーア)によって禁じられている原材料を使用しておらず、製造や輸送などがルールにのっとって行われていることなどを表している。認証の対象となるものは、食品やその原材料をはじめ、医薬品、衣類、玩具、コンピュータソフト、イスラム教徒を対象とする保険、イベント企画、製品を製造する工場や輸送、レストランのサービスなど、イスラム教徒が直接・間接に消費・利用するものすべてにおよぶ。
国や国際宗教組織などによって世界各地に設置されているハラール認証機関が監査し、認証した製品やサービスに対して認定証を発行する。監査はハラール基準に基づいて行われ、たとえば食肉の場合には、飼料をはじめ、規律に従って屠畜(とちく)されたか、加工・倉庫管理・保存や輸送中にいたるまで、ナジス(不浄)と定められたものから完全に隔離されているかなど、全工程に対して検査が行われる。認証された食品はハラール食品やハラール製品、ハラールフードとよばれる。また、それらの食品が農場(生産者)から消費者に届くまでの流れを、ハラールフードチェーンという。ナジスとされるブタについては、食肉、内臓、血液、骨をはじめ、ラードやゼラチンなどの派生した製品が数多く、目で見て判断することがむずかしいものも増えており、認証制度の重要性は増している。なかでも東南アジア諸国のように宗教が混在する地域のイスラム教徒にとっては、ハラール認証は重要である。同様に、日本のような非イスラム国からイスラム圏への輸出ビジネスにも欠かせない。
[編集部]
(2014-9-8)
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