ビーゲラン(英語表記)Gustav Vigeland

改訂新版 世界大百科事典 「ビーゲラン」の意味・わかりやすい解説

ビーゲラン
Gustav Vigeland
生没年:1869-1943

ノルウェー彫刻家。同国南海岸のマンダルMandal生れ。1893年パリでA.ロダン彫刻に刺激を受け,表現的作風から出発。96年のイタリア滞在中には古代,ルネサンスの芸術に触れる。1916年よりオスロ市の後援を得て,広大な彫刻公園の建築に取り組み,ここに,121体の人体像の集積から成る巨柱(高さ17m)を中心に,胎児から死までの人生の諸段階や人間の感情をテーマとし,生命をたたえる彫刻群を配した。肖像彫刻イプセン,グリーグら)も残す。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビーゲラン」の意味・わかりやすい解説

ビーゲラン
Vigeland, Gustav

[生]1869. マンダル
[没]1943. オスロ
ノルウェーの彫刻家。初め木彫を学び,パリとイタリアに留学し,修業時代からロダンの影響を受けた。 1915年初めからオスロのフローグナー公園に4つの大群像と 100体以上の象徴的な人間群像から成る巨大なモニュメント『噴泉群像』を制作。また『ビョルンソン像』『イプセン像』などを制作。

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百科事典マイペディア 「ビーゲラン」の意味・わかりやすい解説

ビーゲラン

ノルウェーの彫刻家。マンダル生れ。ロダンの影響を受けて《地獄》など青銅浮彫を制作,のち象徴的色彩を帯びたモニュメンタルな作風を展開。オスロのフログネル公園に人生の喜怒哀楽を表現した群像を作った。

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世界大百科事典(旧版)内のビーゲランの言及

【ノルウェー】より

…鋭敏な社会問題への切込みはときに日本人的ともいえる甘えの心理構造に逃避し,民主主義と福祉を是としながら神秘,隠遁への志向を抑えがたい。これらの二重性は現代芸術にも,たとえば〈新ノルウェー語(ニューノルスク)〉作家ベーソースの繊細な感受性に満ちた小説と,ドゥーンの地方農民の一族史をつづる雄勁な《ユービークの人々》との共存,夭折(ようせつ)したルンデRolf Lunde(1891‐1928)の優美な彫像に対するに,ビーゲランの121人の人間像からなる巨大な一本石碑という形で顕現している。 ノルウェー文化の歴史は9~11世紀のバイキング時代に始まる。…

※「ビーゲラン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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