知恵蔵 「マツコ・デラックス」の解説
マツコ・デラックス
小学校時代から“ぽっちゃり体型”で、男性が恋愛対象であることを意識していたという。高校卒業後、美容学校を経て、ゲイ雑誌「Badi」(バディ、技術と人間社)の編集者となる。5年ほど勤務して退社し、実家へ戻って約2年間、引きこもり状態の生活を続けていた。だが、「Badi」を読んでマツコの存在を知った小説家・エッセイストの中村うさぎから対談相手として抜擢(ばってき)され、コラムニストとなる。
テレビ初出演は、バラエティ番組「ワンナイR&R」(フジテレビ系列)の前身番組である「エブナイ」だと言われている。初めてのレギュラー番組は2005年の情報番組「5時に夢中!」(TOKYO MX)で、15年4月現在もコメンテーターを続けている。世間の話題などについて、ただ批判するだけでなく、自分が良いと感じたところは率直にほめる、といった姿勢が信頼と好感を得て、15年4月現在、9本のテレビのレギュラー番組と、多くのCMに出演している。
女装については、小学3年ごろから、母親の口紅を塗るなどしていたが、資生堂の企業文化誌を見て、服飾やメイクへの関心が高まり、高校3年ごろから完全に女装するようになった。以前は「女装は自分の性癖であり、趣味」だったが、仕事で女装するようになってからは、プライベートで女装しようと思わなくなったという。
差別や偏見に対する関心が強く、日本財団が14年に12月に開設したハンセン病のキャンペーンサイトでは、「ハンセン病は様々な偏見や差別の縮図」「本当の意味でハンセン病に対する差別や偏見がなくなれば、(他の)差別や偏見をゼロにするきっかけになる」などと述べたメッセージ動画を寄せ、話題を集めた。
特定の趣味はないというが、著書では「数少ない楽しみ」として、音楽プロデューサーのつんく♂が手掛ける女性アイドルグループ「モーニング娘。」(正式名称は「娘。」の後に西暦を付ける)のチェックを挙げている。
著書に『世迷いごと』、『続・世迷いごと』(双葉社)など、共著に中村うさぎとの『同行二人 うさぎとマツコの往復書簡4』(毎日新聞社)などがある。
(南 文枝 ライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報