日本大百科全書(ニッポニカ) 「コラムニスト」の意味・わかりやすい解説
コラムニスト
こらむにすと
columnist
新聞紙上の常設コラム(時評・随想欄)の執筆者、寄稿家。日本では『朝日新聞』の「天声人語」のようなコラムの筆者も含むが、本格的コラムニストは署名が売り物の存在である。1990年代に入ると、日本でも「本紙コラムニスト」と称する定例筆者が各紙に出現、署名で書くようになっている。政治・外交・社会評論を重点とする、特定紙には所属しない独立したコラムニストの活動スタイルは、1920年代以来ほぼアメリカでのみ形づくられ、シンジケート(配信サービス組織)がその執筆活動を支えてきた。これらとその他の特定紙社員コラム執筆者とは区別すべきであろう。アメリカの本来のコラムニストとしては、かつてはW・リップマン、ピアソンDrew Pearson(1897―1969)などが有名。ウォーターゲート事件(1972)の報道で活躍したジャック・アンダーソン、『ニューヨーク・タイムズ』の記者ではあるが、同紙のシンジケート・サービスを通じて他紙への寄稿も行ったジェームズ・レストンなどが代表的な存在。しかし現在では、かつてのCBSのエド・マロー、ウォルター・クロンカイトを創始者とするテレビニュース番組のキャスターのほうが、活字のコラムニストより大きな脚光を浴びるようになっている。CBSのダン・ラザーDan Rather(1931― )が好例である。
[桂 敬一]