家庭医学館 「尿道結石」の解説
にょうどうけっせき【尿道結石 Urethral Calculus】
尿道結石の多くは、膀胱(ぼうこう)結石が下降して尿道にとどまったものです。尿道狭窄(きょうさく)(「尿道狭窄」)や、尿道憩室(けいしつ)(「尿路憩室」)などの病気にともなっておこることもあります。尿道結石は、ほとんどが尿道の長い男性におこります。
[症状]
尿道内に結石がとどまり、はまりこんだようになるため、強い排尿障害や排尿痛を訴えます。また多くの場合、肉眼でわかる血尿がみられます。
結石が尿道の先端まできている場合は、かたい異物として触れたり、尿線が何本かに分かれて出たりします。
問診と触診を行なうことによって、診断はほぼつきますが、腹部X線撮影を行なって、結石の大きさ、数、形、位置を調べます。
[治療]
結石が尿道の先端部にある場合は、尿道に潤滑剤を注入してから、腹圧をかけ、排尿とともに排出させるか、鉗子(かんし)を尿道口から入れて取り出します。尿道の奥にとどまっている場合は、ブジーという器具でいったん膀胱まで押しもどし、内視鏡を使って砕きます。尿道狭窄や尿道憩室があれば、その治療も必要となります。