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器械運動の一種,鉄棒運動に使用する器具。英語ではホリゾンタル・バーhorizontal bar(水平棒)という。近代的な体操の創始者の一人とされるドイツのF.L.ヤーンが,1812年にハーゼンハイデの体操場に設置したレックReckが,その原型とされる。レックは太めの木製の丸太棒で,懸垂や上がり方や回り方や下がり方などの技が生み出された。バーはやがて木製から鉄製に改められ,細いものになり,技も多様に発展した。日本では,明治時代初期にまず兵士の訓練のために取り入れられ,その後学校体育に不可欠のものとなった。第2次大戦前は,国家主義的教育のもとで,姿勢の保持や体力づくりを目的として行われたが,最近は体操競技のなかの鉄棒競技の影響も受けて,多様な上がり技,回転技,下がり技を組み合わせた連続技により美的表現が追求されるようになっている。
→体操
執筆者:中森 孜郎
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…このように,体操を近代科学(生理学,解剖学など)に基づいて理論化し,方法化しようという傾向はデンマーク体操にも受け継がれ,その後の北欧体操の発展の方向を決定づけることになった。一方,ヤーンのトゥルネンは政治的な非合法活動であるとして,ときのプロイセン政府から弾圧(1820年,トゥルネン禁止令)され,政治色を抜きにした純粋な運動技術の習熟をめざすことになり,水平木棒(今日の鉄棒),平行棒,あん馬をはじめとする器械運動に活路を求めた。また,学校教育のなかに体操を導入しようとしたシュピースA.Spiess(1810‐58)は身体運動を〈関節の可動性の原理〉に従って部分運動に分類し,やさしい運動からむずかしい運動を段階的に習得する徒手体操を体系化した。…
※「鉄棒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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