カラーテレビジョン

百科事典マイペディア 「カラーテレビジョン」の意味・わかりやすい解説

カラーテレビジョン

カラー画像を伝送再現するテレビジョン。1928年英国のベアードが走査円板を用い有線カラーテレビの実験に成功したのが初めとされる。1951年米国でNTSC方式の採用が決定され正式放送が初めて行われた。日本では1951年CBS方式(各色彩信号を順次飛越走査する)で,1956年NTSC方式での実験に成功。1960年後者が標準方式として採用され一般放送が開始された。被写体の像をダイクロイックミラー(特定の色を反射・透過する鏡を組み合わせたもの)により赤・緑・青の三原色分解,それぞれの色は3本の撮像管により色信号としてとらえられる。この3信号をそれぞれの色として電子銃により受像面上に発色させて元の色彩像を得る。NTSC方式ではこの3信号をマトリックス回路解析,二つの色度信号と一つの輝度信号に変えて送信する。アンテナで受信された3信号は受像機中のマトリックス回路で元の赤・緑・青の三原色信号に変えられ受像管上に色彩像を結ぶ。この輝度信号がそのまま白黒画像として白黒受像機でも受信できる長所をもつ。一般にシャドーマスクを用いた受像管が使用される(シャドーマスク方式)が,格子をもつクロマトロン方式,一本銃によるトリニトロン方式なども開発されている。6MHzの周波数地域が一つの放送に当てられ輝度信号には4MHzが使用される。ヨーロッパでは走査線数,帯域幅など異なり,多重変調の方法も英国・ドイツ・イタリアなどのPAL方式フランスなどのSECAM方式が行われており,いずれも白黒テレビジョンの同時受像は可能である。→高品位テレビジョン
→関連項目多重放送

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラーテレビジョン」の意味・わかりやすい解説

カラーテレビジョン
colour television

被写体の色彩のついた画像を伝送し再現するテレビジョン。送像側では被写体の光学像を赤,緑,青の三原色信号に分解し,これを輝度信号と2つの色信号に変換して送信する。受像側ではこれにより三原色の映像信号を作って合成する。3色の回転フィルタを使った CBS方式 (アメリカ) により初めて実用化された。しかし,この方式では従来の白黒受像器によって白黒像として受けることができず,放送が中止された。そこで,電波の占有帯域をあまり広げないこと,従来の白黒受像器も使用できることなどを考慮に入れて,アメリカで NTSC方式が開発され,これによって本格的カラー放送が始った。日本でもこの方法が使われている。この方式は,微小面積については色の識別能力が低下するという人間の目の性質を巧みに利用して色情報を整理し,多重変調などの技術を使って送り出す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラーテレビジョン」の意味・わかりやすい解説

カラーテレビジョン
からーてれびじょん

テレビジョン

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