翻訳|shadow mask
カラー受像管の三色蛍光体を用いてカラーテレビジョンの正確な色再現を行うためにブラウン管のフェースプレート(前面ガラス)の内側に塗布された蛍光面と平行に置かれた有孔の金属板のこと。この金属板は厚さが0.15ミリメートル内外で、初期のころには円形の穴をあけたものが用いられたが、のちスロット状やスリット状のものが採用されるようになった。シャドーマスクを用いたブラウン管は、シャドーマスク管とよばれる。蛍光面上に並べられた赤・青・緑の三つの蛍光ドット(点)を1組に、シャドーマスクの一つの穴が対応するように製作されている。蛍光ドットとシャドーマスクの穴とは次のような関係にある。すなわち赤・青・緑の電子銃それぞれの位置からシャドーマスク越しに蛍光面を見たとき、赤の電子銃の位置からは赤色蛍光体だけが見え、青の電子銃の位置からは青色蛍光体が見えるという配置になっている。赤・青・緑の三原色の映像信号で電子銃から出る3本の電子ビームの強さを変え、これら三つの電子ビームをシャドーマスク上に集束させて走査すると、シャドーマスクの穴を同時に通過した三つの電子ビームはその強さに比例し、それぞれ対応する蛍光体を正確に発光させる。したがって、受像管の前面から見た場合、三色混合の原理と人間の視覚感度の性質によって、カラー画面として見ることができる。シャドーマスクの穴は大きいほうが電子ビームを多く通し、蛍光体に当たる電子が増えて画面は明るくなるが、反面、電子が他の色の蛍光体に当たる機会も増え、色の純度は低下する。シャドーマスクにおける電子ビームの透過率は15~20%である。シャドーマスクに遮られる電子ビームは、マスクの温度を上昇させる結果となり、安定した画像が得られない原因にもなる。そのためマスクの放熱を図る種々のくふうが行われた。しかし、1990年代以降、薄型テレビの普及に伴い、ブラウン管テレビの生産は減少して現在は市場から消滅した。これに伴いシャドーマスクも使命を終えた。なお、1968年(昭和43)にソニーが開発したカラー受像管のトリニトロンもシャドーマスク管の一種である。
[木村 敏・金木利之・吉川昭吉郎]
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