テレビジョン

精選版 日本国語大辞典 「テレビジョン」の意味・読み・例文・類語

テレビジョン

〘名〙 (television) 動く画像電気的に遠方へ送り、同時に再生する通信方式。一般には送信側からの信号を受信し、ブラウン管上に画像を再生する装置だけをさす。テレビ。TV。
※新種族ノラ(1930)〈吉行エイスケ〉断髪女を連れて航空港をご出発「テレビジョンの映写幕に見入った」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「テレビジョン」の意味・読み・例文・類語

テレビジョン(television)

動く画像を電気信号に変えて離れた地点に送り、それを映像に再現する通信方式。また、その受像機。テレビ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「テレビジョン」の意味・わかりやすい解説

テレビジョン

光学像を電気信号に変換し,無線または有線により伝送テレビ受像機により映像として再生する通信方式。光学像を細かい四角に分けていくと白黒濃淡をもつ絵素に分解できる。この明るさを一つ一つ電気信号で伝送,再生し,前と同じに配列して原像を得る。古くはそれら絵素をニポー円板や鏡車を使用して走査する機械的方式が研究されたが,1933年V.K.ツウォリキンアイコノスコープ発明により画期的発展をみるに至った。すなわち撮像管ではきわめて微細に分解した絵素に電子線を走査して電気信号をとり出し,受像機に伝送する。日本ではこの走査は左から右に横線を順次ずらして行われ,1画面525本,毎秒像数30枚で構成される。これを全く同じ順に走査して受像管上に結像する。放送は以前は生放送主体で行われたが,ビデオテープ開発後はほとんどがこれを利用。電波マイクロウェーブマイクロ波)方式,同軸ケーブル方式などで局地中継局に送られ,それぞれの放送局から送信される。日本でのテレビの本放送は1953年NHKにより開始。 近年,半導体技術の急速な進歩により,受信したアナログ信号をテレビジョン内部でデジタル信号化(A/D変換)して,スクリーン上に複数の画面を表示させたり,走査線を多くしてより鮮明な画像を再現することが可能となった。NHKが開発したハイビジョンは次世代テレビジョンとして,さまざまな活用が考えられている。また伝送の際にもデジタル信号を使用するデジタル放送も一部開始されている。→衛星放送CATVカラーテレビジョン工業用テレビジョン高品位テレビジョン
→関連項目サテライト局ジャーナリズム高柳健次郎テレビカメラ放送放送局マス・コミュニケーション

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テレビジョン」の意味・わかりやすい解説

テレビジョン
television

映像と音声を離れた場所に送り,再現する仕組み(→放送),およびその受像機器。テレビ,TVと略称する。原理は電送写真(ファクシミリ)と似ているが,眼の光に対する残像を考えて,1枚の絵を 1/50~1/60秒程度で送らなければならない。送信側では,分解走査,および光学像を時間的に連続した電気信号に変換することが必要である。受信側では,時間連続を空間的配列に組み立てる組み立て走査,分解走査と組み立て走査との同期を保つ同期装置,電気信号を光学像へ転換する変換装置が必要である(→走査線)。テレビの開発は 1872年,イギリスのジョゼフ・メイがセレンの光電現象を見出したことによって始まった。1925年にはイギリスのジョン・L.ベアードが,受像機にはっきりと人の顔を映し出すことに成功,日本では 1926年に初めて高柳健次郎が「イ」の文字を伝送する実験に成功した。1953年日本放送協会 NHKが本放送を開始し,1960年にはカラー放送が始まった(→カラーテレビジョン)。2012年に地上波のアナログテレビ放送は完全終了し,すべて地上デジタルテレビ放送に切り替わった。(→ケーブルテレビ

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版 「テレビジョン」の意味・わかりやすい解説

テレビジョン【television】

テレビ,TVと略称する。遠く離れた場所でのできごとを,電気的な手段を用いて,いながらにして見られるようにしたものがテレビジョンである。テレビジョンは有史以来の人類の夢であり,いろいろな人々が夢の実現にチャレンジしたが,本格的な研究が始まったのは,電気の正体が明らかになりつつあった19世紀の終わりになってからである。 現在,テレビジョンと呼ばれるいろいろなしくみの中で,もっとも規模の大きいものがテレビ放送である。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のテレビジョンの言及

【アメリカ合衆国】より

…正式名称=アメリカ合衆国United States of America面積=936万3123km2(本国のみ)人口(1995)=2億6303万人首都=ワシントン Washington,D.C.(日本との時差=-14時間)主要言語=英語通貨=ドルdollar略称USA。たんに合衆国とも,また米国,アメリカとも通称する。United States of Americaの訳語としては,1854年調印の日米和親条約で〈亜米利加合衆国〉の名称が使用された。…

【昭和時代】より

…昭和の元号を冠した時代(1926‐89)を指すが,明治時代,大正時代のように,ある特定のイメージで語られる時代とはいえない。第2次世界大戦の敗北とその後の改革による変動があまりにも大きく,戦前と戦後とは,まったく違った時代といってもよいほどの大きな変化を遂げているからである。
〔戦前〕

【政治,経済】
 1926年12月25日大正天皇が死去し,すでに1921年以来摂政であった皇太子裕仁(ひろひと)親王が践祚(せんそ)して昭和と改元された。…

【高柳健次郎】より

…静岡県に生まれ,1920年に東京高等工業学校(現,東京工業大学)付設の工業教員養成所を卒業した。23年浜松に新設された浜松高等工業学校(現,静岡大学工学部)に赴任し,テレビジョンの研究を始めた。当時のテレビ研究は機械式のものが主流であったが,彼は全電子式テレビの開発をめざした。…

【ドキュメンタリー映画】より

…このドキュメンタリーの手法による劇映画の傾向は,その後も各国で多様化しつつ進展し,ポーランドではアンジェイ・ムンク,イェジー・カワレロビッチ,アンジェイ・ワイダらの〈ポーランド派〉(ポーランド映画),イギリスではトニー・リチャードソン,カレル・ライス,リンゼー・アンダーソンらの〈フリー・シネマ〉,フランスではジャン・ルーシュ,クリス・マルケルらの〈シネマ・ベリテ〉,あるいはまたジャン・リュック・ゴダール,フランソワ・トリュフォーらの〈ヌーベル・バーグ〉,アメリカではライオネル・ロゴーシン,アルバート・メイスルズ,リチャード・リーコックらの〈ダイレクト・シネマ〉が生まれ,その後の各国の映画に大きな影響をあたえることとなった。 現在では,世界の各国で文化的・政治的・経済的事情に従って多種多様につくられている〈ドキュメンタリー〉の大部分はテレビジョンに吸収され,〈テレビ・ドキュメンタリー〉として新しい〈マス・メディア〉,映像による〈世論〉や〈ルポルタージュ〉に転換しつつある。こうした〈ドキュメンタリーの大衆化〉状況のなかで,なお純粋な苦しい自主上映運動をつづける日本のドキュメンタリー映画は,《医学としての水俣病》三部作(1975)の土本典昭と《ニッポン国・古屋敷村》(1982)の小川紳介において,一つの〈新たな視点〉をもちはじめたかにみえる。…

【日本映画】より


【動く写真の到来――最初の日本映画】
 日本における映画の歴史は1896年に始まる。この年,エジソンのキネトスコープが輸入され,神戸の神港俱楽部で初公開された。のぞき眼鏡式のものとはいえ,これが日本最初の映画興行である。次いで翌97年,リュミエールのシネマトグラフが大阪の南地演舞場で,エジソンのバイタスコープが大阪の新町演舞場で公開され,〈動く写真〉の人気はたちまち全国に広がった。この〈動く写真〉の到来はそれぞれの機械の発明からわずか2,3年後のことで,貿易業者たちが競って機械と上映作品を輸入した。…

【分解能】より

…光学系の結像性能を表すもので,その評価法には対象とする光学系によって次のような種類がある。
[分光器の分解能]
 近接する2本のスペクトル線を分離して観察できる能力をいい,波長λの近くでδλの波長差を分離できるときの分解能をλ/δλで定義する。これは分散系の性能とレンズの結像性能で決まるが,レンズを無収差としたとき,回折格子分光器では回折次数をm,開口に含まれる格子線の数をNとしてmNで,またファブリ=ペロー干渉分光器では干渉次数をkフィネスRとしてkRで,プリズム分光器ではプリズムの底辺の長さをt,プリズム材料の分散をδn/δλ(nはプリズムの屈折率)として,t・(δn/δλ)で与えられる。…

【放送】より

…放送は無線通信による送信の一つの特殊な形態で,放送番組と呼ばれるまとまった情報を〈公衆によって直接受信されることを目的〉(放送法)として電波によって広く伝播することをいうが,一般にはラジオ放送,テレビジョン放送のことである。いわばあて先のない無線通信であるところから放送は他のマス・メディアにはみられないいくつかの特殊な機能をもつ。…

※「テレビジョン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

インボイス

送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...

インボイスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android