デジタル大辞泉
「中分」の意味・読み・例文・類語
ちゅう‐ぶん【中分】
1 半分に分けること。
「今日より後は天下を―して」〈太平記・二八〉
2 五分五分に扱うこと。対等に見ること。
「工藤左衛門祐経と、匹夫下郎の本多と、―の扱ひとはお恨めしい」〈浄・会稽山〉
3 間をとって妥協しあうこと。また、仲裁すること。
「身どもは弓矢で射殺さうと申さう。こなた―に入って…往なしませう」〈続狂言記・禁野〉
4 中くらい。なかほど。
「―より下の渡世をするものなり」〈浮・胸算用・五〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ちゅう‐ぶん【中分】
〘名〙
① (━する) 真二つにわけること。半分にわけること。また、そのわけたもの。
※
令義解(718)雑「凡於
二官地
一得
二宿蔵物
一者。皆入
二得人
一。於
二他人私地
一得。与
二地主
一中分之」 〔
史記‐高祖本紀〕
② どちらにもかたよらない、
両者の
中間。同等であること。
※ぎやどぺかどる(1599)下「恐るべき所を恐れ、吹くるほどの風に靡かざる事、是又
専要なり。此中分を弁へ行ふ事、誠に勝れたる
賢慮なり」
③ (━する) 人々が和解するために、中間をとって妥協しあうこと。また、その方法で第三者が仲裁をすること。また、その仲裁をする人。特に鎌倉・室町時代には、所領争いの際に
係争物を二分して当事者双方に与える「
折中の法」が普及して、
訴訟の解決法としてこの方法が多くとられた。
※
吾妻鏡‐元久二年(1205)三月二五日「今日被
レ中
二分之
一、以
二六郷
一為
二別当分
一、割
二六郷
一給
二供僧中
一」
※狂言記・禁野(1700)「こなた中分
(チウブン)に入って、刀わきざし、
衣裳も皆はぎとり」
※玉塵抄(1563)二二「
医者からのみくうことがすぎたをきらわるるぞなにごとも中分ながよいぞ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「中分」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報