太地町(読み)たいじちよう

日本歴史地名大系 「太地町」の解説

太地町
たいじちよう

面積:五・八一平方キロ

東牟婁郡の東南部に位置し、町域は熊野灘に半島状に突出しており、西方那智勝浦なちかつうら町に囲まれる。森浦もりうら湾を挟んで飛地夏山なつさがある。海岸線はリアス海岸で複雑な入組みをみせ、とくに東部は断崖が続き、岩に砕け散る熊野灘の荒波豪壮な景観を呈する。町域はほとんどが丘陵地で農地は少なく、古くより漁業をおもな生業としてきた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太地町」の意味・わかりやすい解説

太地〔町〕
たいじ

和歌山県南東部,熊野灘に半島状に突出した町。 1925年町制。町名は南北朝時代初頭当地を支配した泰地氏に由来,泰地とも書いた。太地湾奥にある中心集落の太地は,天然の良港で,古くから沿岸・沖合い漁業の中心地。日本の捕鯨業の発祥地として有名。慶長 11 (1606) 年もり突き法による捕鯨が始められ,延宝5 (77) 年に網による捕獲が開発されてからさらに繁栄。近年捕鯨に代り,マグロ,ブリなどを水揚げ。観光開発にも力を入れている。海岸一帯は鯨博物館,捕鯨船資料館,温泉などがあり,吉野熊野国立公園に属する。西部を JR紀勢本線,国道 42号線が通じる。面積 5.81km2。人口 2791(2020)。

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