デジタル大辞泉
「失念」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
しつ‐ねん【失念】
[1] 〘名〙
※
山槐記‐仁安二年(1167)二月一一日「次敷穏座〈先擬一世源氏座敷之、而失念取主人円座、進之間覚悟〉」
※
坊っちゃん(1906)〈
夏目漱石〉六「只今一寸
(ちょっと)失念
(シツネン)して言ひ落しましたから、申します」
② (muṣita-smṛtiḥ の
訳語) 仏語。二十随煩悩の一つ。記憶を妨げる精神作用。
※往生要集(984‐985)大文五「菩薩乗人、持
二開遮戒
一。設有
レ所
レ犯、不
レ応
下失念、妄生
二憂悔
一、自悩
中其心
上」 〔
遺教経〕
[2] 江戸時代、元祿年間(
一六八八‐一七〇四)に江戸新吉原で流行した歌。現在も「忘れ
唱歌」の名で地歌として残る。
[
補注](二)については、「松の葉」中にみられる「しつねん」の歌詞が、「
用捨箱‐中」にみられる
土手節(どてぶし)の歌詞と類似しているので、土手節の一つとも考えられる。
しち‐ねん【失念】
※虎清本狂言・
鈍根草(室町末‐近世初)「御しちねんは御ざるまい。こなたへくだされい」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「失念」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報