失念(読み)シツネン

デジタル大辞泉の解説

しつ‐ねん【失念】

[名](スル)
うっかり忘れること。ど忘れ。物忘れ。「約束を失念して失礼しました」
仏語。記憶をさまたげる心の作用

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

しつねん【失念】

( 名 ) スル
覚えていたはずのことを思い出せないこと。 「お名前を-して申し訳ありません」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

しち‐ねん【失念】

〘名〙 (「しち」は「失」の呉音) =しつねん(失念)(一)①〔日葡辞書(1603‐04)〕
※虎清本狂言・鈍根草(室町末‐近世初)「御しちねんは御ざるまい。こなたへくだされい」

しつ‐ねん【失念】

[1] 〘名〙
① うっかりしてれること。もの忘れ。度忘れ
※山槐記‐仁安二年(1167)二月一一日「次敷穏座〈先擬一世源氏座敷之、而失念取主人円座、進之間覚悟〉」
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六「只今一寸(ちょっと)失念(シツネン)して言ひ落しましたから、申します」
② (muṣita-smṛtiḥ の訳語) 仏語。二十随煩悩の一つ。記憶を妨げる精神作用。
往生要集(984‐985)大文五「菩薩乗人、持開遮戒。設有犯、不失念、妄生憂悔、自悩其心」 〔遺教経〕
[2] 江戸時代、元祿年間(一六八八‐一七〇四)に江戸新吉原で流行した歌。現在も「忘れ唱歌」の名で地歌として残る。
[補注](二)については、「松の葉」中にみられる「しつねん」の歌詞が、「用捨箱‐中」にみられる土手節(どてぶし)の歌詞と類似しているので、土手節の一つとも考えられる。

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