橋本伯寿(読み)はしもと・はくじゅ

朝日日本歴史人物事典 「橋本伯寿」の解説

橋本伯寿

没年:天保2.12(1831)
生年:生年不詳
江戸後期の医者。甲斐国(山梨県)市川大門村の曾祖父以来続いた医家に生まれる。名は徳,号は三巴,節斎,通称は保節。長崎に遊学して吉雄耕牛,志筑忠雄蘭学を学び,帰途大村,天草を訪れて天然痘患者の厳重な隔離による避痘効果を体験した。さらに多くの実見によって隔離法による伝染病の予防対策を提唱,文化7(1810)年『断毒論』を著し,天然痘・梅毒等の伝染説を唱道した。避痘隔離法の法令化を甲府勤番支配役所に請願した書中で,医学館の痘科教授池田瑞仙の説を批判したことから『断毒論』の版木を押収されるという事件も起きている。

(宗田一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「橋本伯寿」の解説

橋本伯寿 はしもと-はくじゅ

?-? 江戸時代後期の医師
はじめ漢方をまなび,のち長崎で吉雄耕牛(よしお-こうぎゅう)らに師事して蘭学をおさめる。文化6年(1809)「断毒論」をあらわし,天然痘,麻疹,梅毒が異国からの伝染病であるとし,伝染経路,予防対策について論じた。甲斐(かい)(山梨県)出身。名は徳。号は三巴,節斎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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