朝日日本歴史人物事典 「牛場卓蔵」の解説
牛場卓蔵
生年:嘉永3.12(1850)
明治大正期の実業家,政治家。伊勢国一志郡七栗村(三重県久居市)に原平一郎の3男として出生,のち牛場家の養子となる。明治4(1871)年慶応義塾に入り,9年内務省入り。勧業課長などを勤めたのち,15年には福沢諭吉の推薦により朝鮮政府の学事顧問となる。帰国後は大蔵省主税官となり,また第2回総選挙(1892)に郷里(三重1区)から当選するなどしたが,活動の舞台は実業界に移り,日本土木,帝国ブラシ,千代田生命などの取締役となった。特に手腕をうたわれたのは20年に入った山陽鉄道会社の経営においてであり,寝台車の導入などにそれが生かされた。
(村瀬信一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報