白石元治郎(読み)しらいしもとじろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白石元治郎」の意味・わかりやすい解説

白石元治郎
しらいしもとじろう
(1867―1945)

経営者。新潟県生まれ。1892年(明治25)東京帝国大学英法科を卒業して浅野商店に入り、まもなく浅野総一郎娘婿となった。96年東洋汽船設立とともに支配人となり、浅野を補佐して明治期における同社の発展に尽力した。1912年(明治45)友人の今泉嘉一郎(かいちろう)と日本鋼管を設立して社長となり、日本の民営製鉄業を本格的に発足させた。34年(昭和9)官営八幡(やはた)製鉄と民間製鉄会社の合同による日本製鉄の成立に際しては合同不参加の先頭にたち、以後、民間鉄鋼業界をリードした。40年日本鋼管と鶴見製鉄造船(浅野財閥系列)を合併し、戦後の発展への道を開いた。なお白石は浅野同族の一員として多くの浅野財閥系列企業の役員をも務めた。

[小早川洋一]

『井東憲著『鋼管王白石元治郎』(1938・共盟閣)』『鉄鋼新聞社編『白石元治郎――鉄鋼巨人伝』(1967・工業図書出版)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「白石元治郎」の解説

白石元治郎 しらいし-もとじろう

1867-1945 明治-昭和時代前期の実業家
慶応3年7月21日生まれ。浅野商店に入社,のち浅野総一郎の娘婿となる。東洋汽船など浅野系企業の要職を歴任し,明治45年今泉嘉一郎らと日本鋼管(NKK)を創立して社長となり,民間鉄鋼業の発展に寄与した。昭和20年12月24日死去。79歳。陸奥(むつ)白河郡(福島県)出身。帝国大学卒。旧姓は前山。

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