能の曲目。三番目物。五流現行曲。宝生(ほうしょう)流、金春(こんぱる)流、金剛(こんごう)流は『草紙洗』、喜多(きた)流は『草紙洗小町』と書く。作者不明。明日の宮中の歌合(うたあわせ)に、小野小町(シテ)の相手に選ばれた大伴黒主(おおとものくろぬし)(ワキ)は、小町の下読みを盗み聞いて、それを『万葉集』のなかに入れ筆をしておく。帝(みかど)(子方)をはじめ紀貫之(きのつらゆき)(主ツレ)ほかの歌人の居並ぶなかで、小町の発表した歌は古歌の盗作だと訴えられる。その筆つきを見た小町は、草紙を洗いたいと提議し、入れ筆を証明する。自害しようとする黒主を、小町は和歌への執心はこうあるべきととりなし、めでたい宴(うたげ)に小町は美しく舞い、和歌の道をたたえて終曲となる。劇的設定はあるが、のどかな王朝絵巻といった趣(おもむき)の能である。典拠は『続古事談』ほか。
[増田正造]
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
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