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小野小町 おののこまち

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小野小町
おののこまち

平安時代前期の女流歌人。六歌仙三十六歌仙の一人。安倍清行,小野貞樹,文屋康秀 (ふんやのやすひで) らとの交渉から承和~貞観中頃 (834~868頃) が活動期と考えられる。その出自や身分については,小野篁 (たかむら) や出羽郡司などと関連づけたり,更衣や采女 (うねめ) などとする説があるが未詳。

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デジタル大辞泉の解説

おの‐の‐こまち〔をの‐〕【小野小町】

平安前期の女流歌人。六歌仙三十六歌仙の一人。仁明(にんみょう)文徳(もんとく)両天皇の後宮に仕えた。美貌(びぼう)の歌人といわれ、多くの伝説があり、謡曲・歌舞伎の題材となっている。家集に「小町集」がある。生没年未詳。

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百科事典マイペディアの解説

小野小町【おののこまち】

平安前期の歌人。六歌仙三十六歌仙の一人。生没年不詳。《古今和歌集》の代表的歌人で恋愛歌に秀作がある。伝の詳細は不明で,《古今集》などに残る,文屋康秀,凡河内躬恒在原業平,安倍清行,小野貞樹,僧遍昭らとの歌の贈答が,事跡を知る根本資料となっている。
→関連項目小野川[温泉]遍昭

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

小野小町 おのの-こまち

?-? 平安時代前期の歌人。
六歌仙,三十六歌仙のひとり。父母,経歴などに諸説があり,たしかなことは不明。絶世の美女としてかたりつがれ,歌舞伎,義太夫,謡曲などの題材となった。歌は「古今和歌集」「後撰和歌集」などの勅撰集に六十余首おさめられ,そのなかに文屋康秀(ふんやの-やすひで)らとの贈答歌もある。
【格言など】花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふる眺めせしまに(「小倉百人一首」)

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朝日日本歴史人物事典の解説

小野小町

生年:生没年不詳
平安時代の歌人。六歌仙,三十六歌仙ひとり。出羽郡司小野良真の娘で小野 篁 の孫などと伝えられるが疑わしく,小野氏出身というほか,その履歴はほとんど不明。『古今集』には安倍清行,小野貞樹,文屋康秀との贈答,『後撰集』には遍昭との贈答がみられ,仁明朝(833~850)の宮廷に仕えたと推測される。『古今集』時代に先立って華麗な技巧と大胆な着想に富む新風の和歌を生み出した優れた歌人のひとりであり,同集には「花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに」をはじめ18首が入集。その仮名序で「よき女の悩める所あるに似たり」と評されるように,女の立場から情熱的に詠んだ恋の歌に特徴があり,平安女流文学の原点ともいうべき存在である。その作には漢詩の表現が多く取り入れられており,中国文学の豊かな知識を持つ教養ある女性であったことが知られる。また,早くからその姿はさまざまに説話化され,すぐれた歌人として歌徳説話が,『伊勢物語『伊勢物語』』』に小町の歌が用いられたことから色好みの女性という小町像と在原業平との恋愛譚が,平安後期成立の『玉造小町壮衰書』の主人公との混同から小町衰老説話が,それぞれ生み出され,それらが無常思想と複合して,驕慢な美女がやがて衰えついには髑髏と化すという小町伝説へと発展した。現存する『小町集』は説話化の影響を受けた後人の擬作。<参考文献>片桐洋一『日本の作家5/在原業平・小野小町

(山本登朗)

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世界大百科事典 第2版の解説

おののこまち【小野小町】

平安時代前期の女流歌人。生没年不詳。六歌仙,三十六歌仙の一人。出羽国の郡司良真の女。篁(たかむら)の孫,美材(よしき),好古(よしふる)らの従妹とされる。系図については諸説があるが,確かなことは不明。小町の名についても,宮中の局町に住んだことによるという説をはじめ諸説がある。王朝女流歌人の先駆者で,文屋康秀,凡河内躬恒,在原業平,安倍清行,小野貞樹,僧正遍昭らと歌の贈答をし,和歌の宮廷文学としての復興に参加した。

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大辞林 第三版の解説

おののこまち【小野小町】

平安前期の女流歌人。六歌仙・三十六歌仙の一人。伝未詳。恋愛歌で知られ、古今和歌集をはじめ勅撰集に六二首が入る。絶世の美女とされ伝説も多く、謡曲・御伽草子・浄瑠璃などの題材となった。家集「小町集」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小野小町
おののこまち

平安前期の歌人。生没年・伝未詳。六歌仙、三十六歌仙の一人。小野氏の出であるが、父母も身分もつまびらかでない。小野氏系図や中世歌書には、良真(よしざね)(当澄(まさずみ)・常澄とも)の女(むすめ)とするが、いずれも後世の付会らしく、また近代以後、篁(たかむら)の女、篁の孫女、小野滝雄の女、藤原常嗣(つねつぐ)の女説なども現れたが根拠に乏しい。身分も『古今和歌集』目録の「出羽(いでは)国郡司女」などから采女(うねめ)説があり、「町」名から仁明(にんみょう)、文徳(もんとく)朝の更衣(こうい)説、また采女説が歴史的に成り立たないところから近年氏女(うじめ)説も現れ、中(ちゅうろう)女房説もある。『古今集』目録に「母衣通姫(そとおりひめ)」とするのは、『古今集』仮名序に女歌(おんなうた)の系譜を述べた「小野小町は衣通姫の流れなり」の訛伝(かでん)。『小町集』は大別して2系統あるが、いずれも後代の撰(せん)で、『古今集』『後撰(ごせん)集』の小町歌を核に増益されたらしく、もっとも信頼できるのは『古今集』の18首である。それによれば、同族の小野貞樹や安倍清行(あべのきよゆき)、六歌仙の文屋康秀(ふんやのやすひで)らと交渉があり、文徳・清和(せいわ)・陽成(ようぜい)朝(850~884)あたりを活躍期とするようである。彼らとの贈答歌には、愛のうつろいを怨(うら)んだり、ことばじりをとらえて誠意の足りなさを責めたり、無抵抗になびいたりなど千変万化の媚態(びたい)がみられる一方、「題しらず」歌には、人生のむなしさや衰えを嘆き、現世でかなわぬ恋をはかない夢に賭(か)けるなど、純粋で情熱的な女人像がうかがわれ、これらの歌から生まれる印象が、色好みな女や遊女、零落した老女、貴人王族との悲恋など、さまざまな小町伝説を生む核となっていった。勅撰入集(にっしゅう)歌64首。『古今集』仮名序はその歌風を、「よき女のなやめる所あるに似たり」と評する。[後藤祥子]
 花の色はうつりにけりないたづらに我身(わがみ)よにふるながめせしまに
『片桐洋一著『小野小町追跡』(1975・笠間選書) ▽山口博著『閨怨の詩人小野小町』(1979・三省堂) ▽小林茂美著『小野小町攷』(1981・桜楓社)』

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世界大百科事典内の小野小町の言及

【在原業平】より

…また(2)と(3)が結びつけられて,都にいられなくなった業平が東国に下る話が有名になり,単に東下りといえば,業平の東国への旅をさすほどになった。さらに,業平が奥州八十島で小野小町のどくろに会う話も種々の説話集に見え,一条兼良の《伊勢物語愚見抄》は,業平を馬頭観音,小町を如意輪観音の化身とする説をあげている。《伊勢物語》は,歌の心を涵養するために繰り返し読むべき古典とされ,《源氏物語》よりも重んぜられていたため,《雲林院》《井筒》《小塩》《杜若(かきつばた)》をはじめ,《伊勢物語》に取材する謡曲が数多く作られ,業平は能の舞台にも登場することになった。…

【小野】より

…後の随心院である。随心院は小野小町宅跡の伝承があり謡曲《通小町(かよいこまち)》《卒都婆小町》には,深草少将が墨染から百夜(ももよ)通った,という説話がある。境内には小野小町文塚と称するもの,その他がある。…

【通小町】より

…ある日,名を尋ねると,市原野に住む者と答えて消える。僧が市原野に出向いて弔うと,小野小町の霊(ツレ)が現れて弔いを喜ぶが,そのあとを追って,やつれ果てた面ざしの四位少将の霊(シテ)が現れ,小町を引き留めてその成仏を妨げる。少将は,生前小町に恋をして百夜通ったが,ついに思いを果たせず,死後も地獄で苦しんでいるのだった。…

【小町草紙】より

…近世になって渋川版御伽草子に収められ,普及した。天性の美貌と和歌の才で浮名を流した小野小町が,年老いて見るも無残な姿となり,都近くの草庵に雨露をしのいでいた。里へ物乞いに出ると,人々は〈古の小町がなれる姿を見よや〉とあざける。…

【随心院】より

…本堂前の池泉観賞式庭園も美しく,境内は雅致に富み,国の史跡指定地。なお,当寺は小野小町の邸址といわれ,小町と深草少将の悲恋物語にちなむ伝承に富む。本堂安置の地蔵は多くの男性を悩ませた小町の罪障消滅を祈って,小町に寄せられた恋文を集めて造ったものと伝え,また境内の小野塔(文塚)は小町にあてた艶書を埋めた場所,小町井は小町がつねにこの水を愛して艶顔をよそおった井戸という。…

【関寺】より

…鎌倉時代の関寺門前の様は《一遍上人絵伝》に見える。また老衰落魄した小野小町が関寺のかたわらの庵に住んでいたとする伝説(謡曲《関寺小町》など)があり,長安寺にはその遺跡と称するものがある。【山本 吉左右】。…

【関寺小町】より

…世阿弥時代からある能。シテは老後の小野小町。7月7日のことである。…

【草紙洗】より

…作者不明。シテは小野小町。宮中の歌合で小野小町の相手と決まった大伴黒主(ワキ)は,前日小町の邸に忍び込んで,小町が和歌を詠じているのを盗み聞きする。…

【卒都婆小町】より

観阿弥作。シテは老後の小野小町。高野山の僧(ワキ)が,道端の朽ちた卒都婆に腰をおろしている老婆(シテ)を見て,ほかの場所で休むように諭し,卒都婆は仏体そのものであるとその功徳を説いて聞かせる。…

【髑髏】より

…例えば,竹林にさらされて目の穴にたけのこが生えていたどくろが目の痛みを訴え,たけのこを抜いた男に恩返しをした話や,山で《法華経》を読むどくろに舌が腐らず残っていた話が《日本霊異記》にあるし,物語《二人比丘尼(びくに)》には骸骨姿のどくろの宴が描かれている。風流な例では,眼窩(がんか)からススキの生え出たどくろが〈秋風の吹き散るごとにあなめあなめ〉と上の句を詠み,これを小野小町のどくろと知った在原業平が〈小野とは言はじ薄(すすき)生ひけり〉と下の句をつけた話があり(《古事談》。似た話は《無名草子》にもある),理屈っぽい例には,荘子が枕にしたどくろが夢に現れ死の世界について問答した話(《荘子》至楽篇)などがある。…

【深草】より

…《千載集》巻四の〈夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里〉は藤原俊成が自作の最高の作と人々に語った(《無名抄》)歌として著名である。深草少将(伏見区西桝屋町の欣浄寺(ごんじようじ)がその宅址と伝える)が山科小野の随心院にあった小野小町の宅へ百夜(ももよ)通った伝説があり,謡曲《通小町(かよいこまち)》《卒都婆小町》《墨染桜》などに劇化されている。【奥村 恒哉】。…

【文屋康秀】より

…三河掾,山城大掾をへて879年(元慶3)縫殿助。《古今集》には,文屋康秀が三河掾になって県見(あがたみ)に誘った際に詠んだという,小野小町の〈わびぬれば身を浮き草の根を絶えて誘ふ水あらばいなむとぞ思ふ〉(巻十八)の歌がのせられている。このことは《十訓抄》《古今著聞集》などにも記された。…

【六歌仙】より

…《万葉集》の後,和歌の道はまったくおとろえていたが,その時期に〈いにしへの事をも歌をも知れる人,よむ人多からず。……近き世にその名きこえたる人〉としてあげられた僧正遍昭在原業平文屋康秀喜撰法師小野小町大友黒主,の6人のこと。序の筆者紀貫之より1世代前の人々で《古今集》前夜の代表的歌人として《古今集》時代の和歌の隆盛を導いた先駆者たちである。…

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