デジタル大辞泉
「衰」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
おとろ・える おとろへる【衰】
〘自ア下一(ハ下一)〙 おとろ・ふ 〘自ハ下二〙 (動詞「おとる(劣)」に
接尾語「ふ」の付いて変化したもの)
① 物事の勢いが弱くなる。
勢力が減じる。おちぶれる。
※大智度論平安初期点(850頃か)一三「財産日に耗(オトロフ)」
※
太平記(14C後)一「
朝廷は年々に衰
(ヲトロ)へ、
武家は日々に盛
(さかん)也」
② 生命力、
体力、
容色などが弱くなる。元気がなくなる。衰弱する。
※
万葉(8C後)一二・二九五二「わが
いのちの衰へぬれば白たへの袖の馴れにし君をしそ思ふ」
[補注]
連用形に「おとろえ」の変化した「おとろい」の形の例が見られる。「私聚百因縁集‐二」の「軍徒気色騒
(ヲトロヒ)。
国力弱く成て」、浮世草子「好色一代女‐一」の「殿上のまじはり近き人のすゑずゑ、世のならひとてをとろひ」など。
おとろえ おとろへ【衰】
〘名〙 (動詞「おとろえる(衰)」の連用形の
名詞化)
① 物事の勢いなどが弱くなること。衰退。
※
源氏(1001‐14頃)若菜上「後の世におとろへあるときも」
② 体力、若さ、美しさなどが盛りを過ぎていくこと。衰弱。
※源氏(1001‐14頃)
夕霧「いみじのおとろへや人に見ゆべき
有様にもあらず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報