(読み)スイ

デジタル大辞泉 「衰」の意味・読み・例文・類語

すい【衰】[漢字項目]

常用漢字] [音]スイ(呉)(漢) [訓]おとろえる
物事勢いや力が弱くなる。「衰弱衰勢衰退衰微減衰盛衰老衰

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精選版 日本国語大辞典 「衰」の意味・読み・例文・類語

おとろえおとろへ【衰】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「おとろえる(衰)」の連用形名詞化 )
  2. 物事の勢いなどが弱くなること。衰退。
    1. [初出の実例]「後の世におとろへあるときも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 体力、若さ、美しさなどが盛りを過ぎていくこと。衰弱。
    1. [初出の実例]「いみじのおとろへや人に見ゆべき有様にもあらず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)

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普及版 字通 「衰」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
10画

[字音] スイ・シ・サイ
[字訓] もふく・おとろえる

[説文解字]

[字形] 会意
正字は衣+(ぜん)。は呪飾。死者の襟もとに麻の呪飾を加えて祓う。〔説文〕八上に「艸雨衣なり。秦には之れを(ひ)と謂ふ。衣に從ひ、象形」と(みの)の意とするが、は死葬のとき、衣に著ける呪飾で、(さい)の初文。糸(べき)部十三上喪服とする。葬送のときには礼を減衰(げんさい)するので、また減少・衰微の意となる。

[訓義]
1. もふく、喪章
2. おとろえる、喪に服してよわる、やせる。
3. そぐ、礼をそぐ。
4. よわまる、勢いがなくなる、かすかになる、やぶれる、しりぞく。
5. としとる、からだがおとろえる。
6. 差(し)と通じ、次第に、うつる。

[古辞書の訓]
名義抄 オトロフ 〔字鏡〕 ノゾク・シナジナ・サス・ヤブル・オトロフ・タカシ 〔字鏡集〕 サス・ヲツ・ユサメ・オトロフ・フタツコロモ

[声系]
〔説文〕に声として榱・など三字を収める。は〔詩、小雅、無羊〕に「を何(にな)ひ笠を何ふ」とみえるが、古い字書には未収の字である。

[語系]
shiuaiは同声、もと同じ語であった。は麻の衰(さいてつ)、は喪服につける長さ六寸、博さ四寸の布。の初形からいえば、死者の襟もとにつける呪飾。のち葬送・服喪に用いるものとなった。卒・tziutも同系の語で、卒は卒衣、死者の襟もとをかき合わせて結ぶ形。魂の脱出を防ぐ意であろう。瘁・悴dziutはその心情をいう語。差tsheaiも声近く、次第に減らす意に通用する。

[熟語]
衰衣・衰・衰冠衰裳・衰杖・衰飾衰衽・衰・衰・衰服・衰麻・衰序・衰征・衰政・衰漸・衰悪・衰運・衰栄・衰翁・衰骸・衰顔・衰気・衰旧衰朽・衰衰歇・衰・衰減衰枯衰槁・衰興衰耗・衰困・衰妻・衰殺・衰・衰削衰颯・衰残衰疾・衰謝・衰弱衰叔衰衰・衰世・衰勢衰賤・衰衰沮・衰草・衰・衰息・衰損・衰・衰退・衰替・衰・衰遅・衰年・衰廃衰憊・衰白・衰薄・衰髪・衰晩・衰微・衰鬢・衰病・衰弊・衰変・衰暮・衰・衰亡・衰乏・衰耄・衰貌・衰滅・衰門・衰野・衰容・衰庸・衰乱・衰陵・衰・衰齢・衰陋・衰老
[下接語]
顔衰・起衰・減衰・斬衰・衰・助衰・承衰・斉衰・盛衰・中衰・等衰・扶衰・風衰・変衰・門衰・養衰・老衰

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