《農民》(読み)のうみん

世界大百科事典(旧版)内の《農民》の言及

【レイモント】より

…観察の確かさ,生き生きとした描写力は比類ないものがあるが,一方,構成の緊密さ,作品を貫く思想に欠けるものがあると評される。《秋》に始まり《夏》に終わる四季の名を冠した4巻の長編で,ノーベル賞受賞作品《農民》(1904‐09)は世界の農村文学の最高傑作とされる。永遠の繰返しである自然のリズムと深く結びついたポーランドの農村の一年の暮しを背景に,ひとりの女と土地相続をめぐる父と子の確執を描いたこの小説にも,急速な発達を遂げる工業都市ウッチの町とそこに蝟集(いしゆう)する〈金の亡者〉たちの生態を克明に描いた《約束の地》(1899)にも,自然主義の影響が色濃くみられる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」