アイゼナハ(読み)あいぜなは(英語表記)Eisenach

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイゼナハ」の意味・わかりやすい解説

アイゼナハ
あいぜなは
Eisenach

ドイツ中部、チューリンゲン州の西端にある工業都市。1949~1990年は旧東ドイツに属した。チューリンゲン山脈北東麓(ろく)、標高222メートルにある。人口4万4400(2000)。チューリンゲン伯の居城であったワルトブルク城(412メートル)が山上にそびえ、ヘルマン1世(在位1190~1217)のころは中世騎士恋愛歌(ミンネザング)の中心地であった。またルターが『新約聖書』をドイツ語に訳したところでもある。自動車(オペル社)、電気工業が立地する。1869年、ドイツ社会民主労働者党アイゼナハ派結成の地。作曲家J・S・バッハの生地。

[佐々木博]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイゼナハ」の意味・わかりやすい解説

アイゼナハ
Eisenach

ドイツ中部,チューリンゲン州の都市。エルフルトの西約 50km,チューリンガーワルトの北西斜面に位置する。 1150年頃にチューリンゲン地方伯によって建設された町で,南西に伯の古城ワルトブルク城がある。 1264年ザクセン公ウェッティン家領となり,83年都市権獲得。音楽家バッハの生地,ルターが学童時代を過しウォルムス帝国議会 (1521) 後隠遁した地として知られ,古城は R.ワーグナー作曲の歌劇タンホイザー』の舞台として有名。ルターによる新約聖書のドイツ語訳もこの城で行われた。フランクフルト-エルフルト間の交通の要地で,観光都市でもある。 19世紀後半から工業が興り,自動車,機械,化学工業が盛ん。ロマネスク様式の聖ニコラウス教会 (1200頃) ,後期ゴシック様式の聖ゲオルク教会 (1180頃創設,16世紀に修復) が代表的建築物。人口4万 5220 (1991推計) 。

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