アイマク(その他表記)Aimakh

改訂新版 世界大百科事典 「アイマク」の意味・わかりやすい解説

アイマク
Aimakh

牧地を共有する遊牧集団が原義モンゴル語漢字では愛馬転写。13世紀の《元朝秘史》に初出する。モンゴル,元朝では諸王勲臣が保有する遊牧集団を指すほか中国などの征服地に設定した彼らの所領も意味し,その場合,投下の文字があてられる場合が多かった。清朝モンゴル族を12旗に分割統治すると,数旗をあわせた呼称(部)として使用されるように変わり,現在もモンゴル国の行政単位となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイマク」の意味・わかりやすい解説

アイマク
あいまく
ayimag

モンゴル語で部分、部族の意。また行政区画名称。元朝時代には、部族と、その生活する牧地をも含めた所領を意味し、漢字で愛馬とも記された。17世紀、内、外モンゴルが清(しん)朝に帰属してのち、アイマクは行政区画の意味にも用いられ、外モンゴル、四ハン部は四アイマクともよばれた。現在アイマクは、モンゴル国では「県」の意味で、また中国の内モンゴル自治区では「盟」の意味で用いられている。

[森川哲雄]

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百科事典マイペディア 「アイマク」の意味・わかりやすい解説

アイマク

モンゴル語で一定の遊牧地を共有する社会集団が原義。転じてアイマクは行政区画の名称となる。チンギス・ハーンの時代には千戸・万戸の単位,元末には諸王・功臣の集落,明代にはオドクとともにウルス(部,国)を構成する重要な単位となる。現在もモンゴル国の行政単位となっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイマク」の意味・わかりやすい解説

アイマク(愛馬克)
アイマク
aimak

モンゴル語で,12~13世紀には「部族」の意に用いられた。清朝ではとの間に部を設けてアイマクと呼んでいる。モンゴル国では「州」にあたる。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「アイマク」の解説

アイマク
aimakh

現代モンゴル語では,県にあたる行政単位を意味するが,13~14世紀のモンゴル語では,部族あるいは遊牧集団を意味したらしい。清朝では,外モンゴルの4部,内モンゴルの24部などをアイマクと呼んだ。

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