日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカボヤ」の意味・わかりやすい解説
アカボヤ
あかぼや / 赤海鞘
[学] Halocynthia aurantium
原索動物門尾索綱壁性目ピウラ科に属する単体ボヤ。体長10センチメートル程度、まれに20センチメートルを超える冷水系の大形種。体は長円筒形で赤橙(せきとう)色を帯び、体の後端で岩礁などに固着する。外皮は薄い革状で、表面は平滑だが微小の棘状(きょくじょう)突起が密生するため、触れるとざらざらする。筋膜は厚く、生食できる。日本海北部、北海道、千島列島の沿岸からオホーツク海、ベーリング海を経てアメリカのワシントン州ピュージェット湾まで分布し、約200メートル以浅に生息する。なお北大西洋冷水域には、本種と酷似するシーピーチsea peach/H. pyriformisが知られている。
[西川輝昭]