アキメネス(読み)あきめねす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アキメネス」の意味・わかりやすい解説

アキメネス
あきめねす
[学] Achimenes

イワタバコ科(APG分類:イワタバコ科)のアキメネス属の総称。熱帯アメリカ原産の春植え球根草。メキシコからブラジル、アルゼンチンにかけて約26種(コクシネアA. coccinea Pers.、グランディフローラA. grandiflora DC.など)が分布する。また、交配によってつくられた多くの園芸品種が、夏の鉢物として栽培される。球根は松かさ状の小塊茎で、草丈は20~30センチメートル。葉は対生または輪生し、花は葉腋(ようえき)から互生し、花筒は長く先端は開く。花色は品種によって、赤、紫、青、白など豊富である。

[平城好明 2021年7月16日]

栽培

学名のAchimenesはラテン語で「寒さに弱い」という意味で栽培温度は最低18℃が必要。秋から冬にかけての球根の貯蔵温度は10℃がよい。貯蔵しておいた球根を1~3月、バーミキュライト、砂などに埋めて20~25℃で催芽させる。芽が2センチメートルくらい伸びたら、3または4号鉢に排水のよい培養土で3~5球植える。寒冷紗(しゃ)などで日除けして栽培する。繁殖は球根のほか挿芽も可能。

[平城好明 2021年7月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アキメネス」の意味・わかりやすい解説

アキメネス
Achimenes; monkey-faced pansy; Cupid's-bower

イワタバコ科アキメネス (ハナギリソウ) 属の総称。メキシコから中央アメリカにかけて約 20種が分布する。球根植物で,草丈は 20~60cm。夏の鉢花として栽培される。茎が垂れ下がるものは吊り鉢栽培に向いている。各葉腋に1~数個ずつ漏斗状もしくは管状の花冠をつけ,花冠の先は5裂する。青系,赤系,黄系,白と多彩な花色をもち,アキメネス・ロンギフローラ A.longifloraやアキメネス・エレクタ A.erectaなどの原種から,欧米では多くの園芸品種が作出されている。強光を嫌うため,夏場は半日陰か,寒冷紗などで遮光して管理。秋に葉が黄変したら水を断ち,鉢のまま5~10℃で越冬させるか,球根をいったん掘出し,バーミキュライトなどに埋めて保存する。

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