スカンジナビア諸国の国民酒ともいうべき無色の蒸留酒。〈生命の水〉を意味するラテン語aqua vitaeの転じた語で,スウェーデン,ノルウェーでaquavit,デンマークでakvavitなどとつづる。別名をシュナップスといい,ドイツ,オランダでも造られる。スウェーデンでは15世紀から造られており,デンマークではそれ以前のものと推定される蒸留機が発掘されたという。ジャガイモを原料としてこれを麦芽で糖化・発酵後,精留して得たスピリッツに,キャラウェーを主にしてコリアンダー,フェンネルその他の香草類,レモンやオレンジのピール(果皮)などを加えて再留する。着色をきらうので,樽に貯蔵しての熟成は行わない。アルコール分40%前後。デンマークではかつてはライムギ,コムギを原料としていたが,いまはほとんどジャガイモを用いている。味は,デンマークのものが辛口,スウェーデンは甘口,ノルウェーはその中間といった傾向をもつ。冷やしてストレートで飲むことが多いが,カクテルベースとしても用いられる。
執筆者:大塚 謙一
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…連続式蒸留機の蒸留酒は,アルコールの純度が高まるほど原料の特徴が失われ,酒はソフト化する。グレーンウィスキー,アルマニャックのほか,19世紀初めまでは単式によっていたウォッカ,アクアビット,ライトラム,さらにブレンド用ブランデー,甲類焼酎(ホワイトリカー)などが,現在この型の蒸留機によってつくられている。【菅間 誠之助】。…
※「アクアビット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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