ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アッシュ」の意味・わかりやすい解説
アッシュ
Ashe, Arthur Robert
[没]1993.2.6. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国のテニス選手。7歳から近所の公園でテニスを始める。ウォルター・ジョンソンの指導を受け,カリフォルニア大学ロサンゼルス校にテニス奨学生として入学。 1968年全米オープンテニス選手権大会で優勝し,黒人男子選手として初めて世界四大大会のシングルスを制した。 1963~70,1975,1977~78年デビスカップに出場し,1968,1969,1970年の3度の優勝に貢献。さらに,1970年の全豪オープン,1975年のウィンブルドン選手権大会を制して世界ランキング1位に登りつめた。 1980年の引退後,1981~85年デビスカップのアメリカチーム代表監督を務めた。通算成績シングルス 33勝を記録,1985年国際テニス殿堂入りを果たした。社会問題にも積極的に発言し,南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策を批判して南アのオープントーナメント参加を拒否された際には,国際テニス連盟が制裁措置として南アのデビスカップ参加を認めなかった。 1992年には心臓手術を受けた際の輸血からエイズウイルス (HIV) に感染したことを公表,エイズ撲滅基金を設立してエイズに対する理解を広めた。
アッシュ
Asch, Sholem
[没]1957.7.10. ロンドン
ポーランド生れのイディシュ語作家。 1909年に渡米,以後主としてアメリカで文筆活動を行なった。 20年帰化。ロマンチックで理想主義的である反面,現実主義的な作風で,いきいきとした人物描写に特徴をもつ。主著『町』A Stedtel (1904) ,『盗人モッケ』 Motke Ganev (16) ,『三つの町』 Farn Mabul (30) ,『ナザレ人』 The Nazarene (39) 。
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