ばっと(読み)バット

デジタル大辞泉 「ばっと」の意味・読み・例文・類語

ばっ‐と

[副]
勢いよく広げるさま。また、一気に広がるさま。「水をばっとぶちまける」「うわさがばっと広まる」
勢いよく、また、すばやく動くさま。「ばっと集まる」「ばっと駆け出す」
はでで人目につくさま。
「万事上嵩うはかさに―したる遊び手」〈浮・色三味線・二〉

バット(Bat)

オマーン北部、アフダル山西麓にある遺跡青銅器時代に銅の採掘で栄え、遠くメソポタミアまで輸出していたと考えられている。直径20メートル、高さ10メートルという五つの巨大な塔が発掘されたが、その目的などはわかっていない。周辺アルフトゥムアルアインの遺跡とともに、1988年に世界遺産文化遺産)に登録された。

バット(vat)

浅い箱形の容器ステンレス製・プラスチック製・琺瑯ほうろう引きなどがあり、料理や写真現像などで用いる。

バット(bat)

野球などで、球を打つ木製または金属製の棒。
卓球で、ラケットのこと。

バット(bat)

蝙蝠こうもり

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精選版 日本国語大辞典 「ばっと」の意味・読み・例文・類語

バット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] bat ) 球技で球を打つ用具。
  2. (イ) 野球で用いる細長い棍棒。
    1. [初出の実例]「猟師種が島を提げ弄球家(ベースボール、マン)バットをふりまわす珍重の至りにあらず」(出典:筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉三)
  3. (ロ) クリケットで用いる打ち板。
  4. (ハ) 玉突に用いる棒。玉突棒。キュー
    1. [初出の実例]「甲板玉突〈略〉両人玉突棒(バット)を擁して、遠距離に立つ」(出典:風俗画報‐二三九号(1901)遊戯)
  5. (ニ) 卓球のラケット。
  6. (ホ) テニスのラケット。
    1. [初出の実例]「此技、ゴム球をバット(長さ四尺許りの杓子形の者)にて打ち合ふ者なれば」(出典:松蘿玉液(1896)〈正岡子規〉七月一九日)

ばっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 勢いよく四方へ広がるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「五十余騎しころをかたむけ、おめひてかけければ、平家の軍兵ばっとあけていれにけり」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)中)
  3. 動作や状態の変化が急であるさま、急で勢いのあるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「赤き光たる物の俄に立耀てはばっと消え」(出典:源平盛衰記(14C前)一一)
  4. ( 多く、「ばっとした」の形で ) はでで人目につくさま、はなやかで人目をひくさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「あちらこちらにばっとして、さて、めぐりめぐれるさかづきは」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)四)

バット

  1. ゴールデン‐バット」の略。
    1. [初出の実例]「ちらりと自分の方に一瞥をなげると、彼は袂からバットの箱を取り出した」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の家)

バット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] vat ) 平たい角形の容器。ステンレス製や琺瑯(ほうろう)引きで、料理や写真の現像、化学実験などに使う平皿。〔フィルム写真術(1920)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ばっと」の意味・わかりやすい解説

バット
Butt, Isaac

[生]1813.9.6. ドネガル,グレンフィン
[没]1879.5.5. ダブリン
アイルランド政治家。 1852~65,71~79年イギリスの下院議員。 70年に自治協会を設立してアイルランド自治運動 (→ホームルール ) を展開。アイルランドの立法権をイギリスから分離することを目指した。しかし,まもなく自治協会は土地同盟と合同して,指導権を C.パーネルに奪われた。

バット
Brilliant Antitank Munition; BAT

全天候型の自律装甲子弾。 1984年からアメリカ陸軍用にノースロップ社が開発した。誘導には音響赤外線のハイブリッド・センサを使用し,タンデム式成形炸薬弾頭で戦車を破壊する。全長 90cm,直径 13.75cm,重量約 20kg。地対地型 TSSAM (3軍統合スタンドオフ攻撃ミサイル) ,あるいは ATACMS (通常弾頭付戦術ミサイル) のいずれにも組込め,MLRS (多連装ロケット発射機) からも発射できる。集結した敵戦車群をねらって遠距離に散布すれば,自律的に戦車を捜索して攻撃する。

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食器・調理器具がわかる辞典 「ばっと」の解説

バット【vat】

調理の際、下ごしらえや盛りつけまでの仮置きなどに用いる、浅くて底が平らな容器。四角形が一般的だが、円形のものもある。ステンレス製・プラスチック製・ほうろう引きなどがある。

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岩石学辞典 「ばっと」の解説

バット

単層②

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世界大百科事典(旧版)内のばっとの言及

【皮∥革】より

…ハイドは大動物(ウシ,ウマなど)の皮で,アメリカ,カナダ規格では皮重量25ポンド(約11kg)以上のもの,スキンはそれ以下のもので,幼動物または小動物(子ウシ,ヒツジ,ブタなど)の皮をさす。ハイドはその使用目的によって原料皮,または革になったとき,サイドside(背線での半裁),ショルダーshoulder(肩部),バットbutt(背部),ベリーbelly(腹部)などに裁断されることがある(図)。 動物からはいだままの生皮は腐敗しやすいので,ただちに乾燥(乾皮),塩づけ(塩蔵皮),塩づけののち乾燥(塩乾皮),防腐剤で処理後,乾燥(薬乾皮)などの方法で保存される(仕立て,キュアリング)。…

【野球】より

…これはラウンダーズroundersという,クリケットから派生した子どもの遊びをさし,クリケット同様に18世紀にはアメリカにもちこまれていたと思われる。ラウンダーズは1チーム9人の2チームが,ボールとバット(スティック)を用いてラウンダー(四つのポストを一周すること)を争うもので,野球のベースをやや変形した位置に木の棒(ポスト)を立てる。また,アメリカで生まれたといわれる遊びの中にも,ワナキャットone old catなど,野球の要素を含んだものがあり,結局,これらのボールとバットとベースを用いるゲームが集約され,19世紀前半にベースボールが成立したというのが現在の定説になっている。…

※「ばっと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」