アニリン系解熱鎮痛剤(読み)アニリンケイゲネツチンツウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「アニリン系解熱鎮痛剤」の解説

アニリン系解熱鎮痛剤

製品名
《アセトアミノフェン製剤》
アセトアミノフェン(小野薬品工業、東洋製薬化成、吉田製薬、健栄製薬、丸石製薬、東和薬品、長生堂製薬、武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業、ニプロ、辰巳化学、日本GE、日本ジェネリック、マイラン製薬、ファイザー、高田製薬、東和薬品)
アセトアミノフェン小児用(武田テバファーマ、武田テバ薬品、武田薬品工業、長生堂製薬、日新製薬、日本ジェネリック)
アセトアミノフェンDS(高田製薬)
アセトアミノフェンDS小児用(東和薬品、高田製薬)
アルピニー久光製薬、三和化学研究所)
アンヒバ小児用(アボットジャパン)
カロナール(あゆみ製薬、高田製薬)
カロナール小児用(あゆみ製薬)
コカール(三和化学研究所)
コカール小児用(三和化学研究所)
パラセタ(シオエ製薬、日本新薬)
パラセタ小児用(シオエ製薬、日本新薬)
ピレチノール(岩城製薬
《》
SG配合顆粒(塩野義製薬

 体温調節中枢や神経中枢にはたらきかけて、熱を下げ、痛みをやわらげる効果のある薬です。


 感冒かぜなどの発熱頭痛耳痛咽頭いんとう喉頭こうとう症候性神経痛(病気が原因となっておこる神経痛)、腰痛症筋肉痛関節痛打撲捻挫ねんざの痛み月経痛分娩後ぶんべんごの痛みガンによる痛み歯痛歯の治療後の痛み急性上気道炎の解熱鎮痛といった、いろいろな痛みをやわらげるために使います。


 アセトアミノフェンは、市販のかぜ薬にも含まれていることが多い成分です。坐剤ざざい、ドライシロップ剤は子どもの解熱鎮痛に使います。


①過敏症状(発疹ほっしん、かゆみ、さらに熱が高くなるといったアレルギー症状)、ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿胞症、喘息発作、間質性肺炎、間質性腎炎・急性腎障害劇症肝炎・肝機能障害・黄疸おうだんが現れることがあります。このような症状が現れたら使用を中止し、すぐに医師に相談してください。


吐き気嘔吐おうと食欲不振などの胃腸症状が現れることがあります。内服剤の場合は、とりあえず食直後に飲み、それでも症状が続くようなら医師に相談してください。


貧血などの血液障害や肝障害がおこることがあります。医師から指示された診察や検査は、必ず受けるようにしてください。


①いろいろな剤型があります。内服剤を服用するときは、副作用の胃腸障害を防ぐために食後の服用が原則です。


 かってに中止、増量・減量したりしないでください。また、必ず4時間以上の間隔をあけて服用し、飲み忘れたときに、次回に2回分をあわせて飲んだりしないでください。


 坐剤を使用するときは、必ず4時間以上の間隔をあけて使ってください。使用する間隔が短いと、体温が下がりすぎて危険です。とくに子どもに坐剤を使用するときは、熱が下がらないからといって使用間隔を短くすると、急に熱を下げてショックをおこすことがあります。


②あらかじめ、持病や現在使用中の薬の有無を医師に報告し、薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。とくに重い血液の病気、腎臓じんぞう・肝臓・心臓の病気がある人、アスピリン喘息のある人には使用できません。また、消化性潰瘍のある人、過去にそれらの病気になったことがある人、絶食・低栄養状態・食行動(摂食)障害などによるグルタチオン欠乏、脱水症状のある人、アルコール多量常飲の人、過去に解熱鎮痛剤で過敏症状をおこしたことがある人、本人または両親・きょうだいにアレルギーの病気があったり、食物や薬でアレルギーをおこしたことがある人は、この薬を使用できないことがあります。あらかじめその旨を医師に報告してください。


③妊婦あるいは現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人は、あらかじめ医師に報告してください。


④3日以上使用しても解熱しない、いちど解熱した後また発熱するようなときは医師に相談し、6日以上続けて使用しないでください。


⑤この薬を使用中にほかの薬(市販薬も含めて)を使う必要が生じたときは、医師に相談してください。とくに、抗凝血剤、ワルファリンカリウム製剤三環系抗うつ剤カルバマゼピン製剤炭酸リチウム製剤チアジド系利尿剤などと併用すると副作用が現れたり、併用薬の作用が変化することがあります。


⑥ 副作用が出やすくなるので、薬の使用中は禁酒を守ってください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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