カルバマゼピン製剤(読み)カルバマゼピンセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「カルバマゼピン製剤」の解説

カルバマゼピン製剤

製品名
カルバマゼピン(共和薬品工業、藤永製薬、第一三共)
テグレトール(サンファーマ、田辺三菱製薬

 てんかんの大発作精神運動発作のほか、てんかん性格情緒不安定など)やてんかんに伴う精神症状の治療に使います。そのほか、そう双極性障害(躁うつ病)の躁状態統合失調症の興奮状態三叉神経痛さんさしんけいつうの治療に使われます。


発疹ほっしんなどの過敏症状、再生不良性貧血・汎血球減少などの血液障害、悪性症候群、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死えし症、紅皮症、全身性エリテマトーデス様症状、過敏症症候群、肝機能障害、黄疸おうだん急性腎障害、間質性肺炎、好酸球性肺炎(PIE症候群)、血栓塞栓症、アナフィラキシー、うっ血性心不全、房室ブロック、洞機能不全徐脈、急性汎発性発疹性膿疱症、無菌性髄膜炎抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などがおこることがあります。


 このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


②ねむけ、めまい、たちくらみ、注意力の低下、頭痛倦怠感けんたいかん、かすみ目、脱力感、食欲不振、吐き気嘔吐おうと発熱、口の渇き、言語障害、複視、運動失調などが現れることがあります。


 このような症状が現れたら医師に相談してください。


③血液障害、肝障害、腎障害などがおこることがあり、副作用出現の有無をチェックするため、指示された検査は必ず受けてください。


錠剤と細粒です。十分な水(コップ1杯以上の水)で服用してください。使用回数と使用する時間・使用量については指示をきちんと守り、かってに中止、減量・増量しないでください。


 中止の許可が出るまで服用を続けてください。かってに中止すると、発作が再発したり、てんかん重積状態(発作が続き、生命が危険な状態)におちいることがあります。


②三環系抗うつ剤で過敏症をおこしたことがある人、重い血液障害、第2度以上の房室ブロック、高度の徐脈、ポルフィリン症の人には使用できません。また、ボリコナゾール製剤、タダラフィル製剤、リルピビリン製剤を服用中の人は使用できません。そのほか、肝障害、じん障害、心不全、心筋梗塞しんきんこうそく排尿困難、眼圧亢進こうしんといった病気がある人、妊婦あるいは現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人は、あらかじめ医師に報告してください。


③過労や睡眠不足、飲酒、喫煙などが原因で薬の効果が低下して発作がおこりやすくなったり、副作用が強く出たりします。規則正しい生活、禁酒・禁煙を守ることが大切です。


 また、めまいがおこることがあるので、自動車運転や危険を伴う作業は避けてください。


④この薬を使用中に、ほかの薬を使用する必要が生じたときは、必ず医師に相談してください。


 抗凝血剤黄体おうたい卵胞らんぽうホルモン剤(卵胞ホルモン剤(女性ホルモン剤)卵胞ホルモン(エストラジオール)外用剤黄体ホルモン剤(女性ホルモン剤)卵胞ホルモン・黄体ホルモン混合製剤(経口避妊剤))、ほかの抗てんかん剤、ブチロフェノン系抗精神病剤マクロライド系抗生物質イソニアジド製剤ベラパミル塩酸塩製剤ジルチアゼム塩酸塩製剤シメチジン製剤消化管運動調整剤ダナゾール製剤利尿剤炭酸リチウム製剤などと併用すると、この薬や併用薬の作用が増強したり減弱したりすることがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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