アリダード(その他表記)alidade

翻訳|alidade

デジタル大辞泉 「アリダード」の意味・読み・例文・類語

アリダード(alidade)

平板測量に用いる器具平板上に載せて地上目標方向を定め、また、距離と高低差を求めることができる。→平板測量

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アリダード」の意味・わかりやすい解説

アリダード
alidade

平板測量に用いる器械測斜儀ともいう。長さ 27cm (木製の場合) または 22cm (金属製) の定規両端に金属製の視準板 sight vaneを取付け,中央に気泡管式の水準器をはめ込んだ折りたたみ式で軽便な器具。この器械で図解的に水平角,間接的に2点間の高低差や距離を求めることができる。これを平板の上に載せて方向線を引き,交会法によって幾何学的な位置関係,視準板の刻まれた分画の読取りによって高さの差を簡単に測定できるので,地形測量地籍測量によく用いられる。視準板のうち,後方視準板は直径 0.4~0.8mmの視準孔が3個,前方視準板には直径 0.2mmの視準糸 (ナイロン糸) が定規底面に対し垂直に張ってある。視準板の分画は両方の視準板の間隔の 100分の1刻みになっている。視準孔は分画数の0,20,35に対応し,これを基準線という。視準板の代りに望遠鏡をつけた望遠鏡つきアリダードもある。

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百科事典マイペディア 「アリダード」の意味・わかりやすい解説

アリダード

測斜儀とも呼ぶ平板測量用の軽便な器械で,定規に水準器や照準装置をつけたもの。定規の両端にある直立板が照準装置で,片方の直立板の視準孔から他方の直立板の視準糸を見通して対象の方向を見定め,平板上に方向線を引く。2点間の距離や高低差を測ることもできる。GPS装置などが導入された現在でも,敏速・簡便に平面図をつくる測量技術には欠くことのできない基本的な道具
→関連項目気泡管平板測量

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世界大百科事典(旧版)内のアリダードの言及

【平板測量】より

…局地的な地形や地物を測量する方法で,器具が軽量簡便であり敏速に測量できるという利点をもつ。原図となる伸縮の少ない図紙をはった平板を三脚に取り付け,アリダード(測斜儀)を用いて,直接現地において地上の地物の方向角または方位角を平板上に方向線で描画し,直接または間接に測定した距離および高さを併用して,これを所要の縮尺で直ちに平板上に作図し,地上と相似の図形を描く。測量区域が広い場合は,あらかじめ三角測量などで位置および高さを求めた基準点を図紙上に所要の縮尺で展開しておき,この点を使用して細部測量に必要な補助点を,必要な密度になるよう図上に増設する骨組測量を行う。…

※「アリダード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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