翻訳|rule
直線や曲線を引くとき,角度をかくとき,直線かどうか直線の程度を調べるとき,直角を調べるとき,または物をたつときに当てがって使う用具をいう。直線用製図用具には三角定規,直定規,T(形)定規があり,曲線用には雲形定規,たわみ定規がある。三角定規,T定規,雲形定規は木,合成樹脂などで作られている。雲形定規はいろいろな二次曲線からできており,一般に15~20種の形のものが1組となっている。大型のものは造船定規,円弧だけでできているものは鉄道定規と呼んでいる。たわみ定規は自在曲線定規とも呼ばれ,任意の曲線を書くときに用いられるものである。その構造は金属や合成樹脂の背面に鉛の棒を入れてできているもの,鋼の薄板に金具を取り付け指で調整するもの,定規の数ヵ所を重しでおさえるものなどがある。機械工作を行うときの測定やけがき(罫書)の直線基準として用いる直定規および直角基準として用いる直角定規は,鋼,鋳鉄,石,またはセラミックスで作られている。その断面は長方形,I形,ナイフエッジ形などである。ナイフエッジ形は,断面が刃形,三角形および四角形などの縁をナイフエッジとして用いるものである。ナイフエッジ形直定規はその縁を対象とする面に当て,その間に生ずる隙間を後方から照明して検査に用いる(すきみ法)。長方形およびI形直定規では同一寸法のブロックゲージで直定規を支持し,対象とする面との間隔をブロックゲージまたは隙間ゲージで測定する方法に用いたり,指針測微器や電気マイクロメーターなど指示式測定器付きブロックを用意し,対象面上に支持した直定規上を滑らせ,測定器の読みから真直の程度を知る方法に用いる。直角定規による直角の検査および測定もすきみ法,ブロックゲージ,測微器などを用いるほぼ同様な方法が用いられている。
→物差(ものさし)
執筆者:沢辺 雅二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
直線または曲線を引くための製図用具。定木とも書く。直線を引くものとしてはT定規、三角定規、曲線用には雲形定規、たわみ定規などがある。材料としてはヒノキ、サクラ、チークなどを乾燥してつくられる。T定規、三角定規には線を引く部分にタケ、セルロイドなどを取り付けたものもある。プラスチック製の三角定規もある。いろいろの形の曲線を組み合わせて一つの定規としたものが雲形定規で、任意の形の曲線を描くのに用いられている。たわみ定規は、金属またはプラスチックの帯の背面に鉛の棒を入れたもので、雲形定規よりも長い曲線を描くのに便利である。
特殊なものとして、生産現場で直角の標準となるL型の測定工具もあり、スコヤとよばれ、基準用、工作用、検査用として用いられている。また洋裁用として襟や袖(そで)などの曲線の製図に用いられるカーブ尺(なまこ尺)とよばれている曲線定規もある。
[中山秀太郎]
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