アレキサンドライト(読み)あれきさんどらいと(英語表記)alexandrite

翻訳|alexandrite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレキサンドライト」の意味・わかりやすい解説

アレキサンドライト
あれきさんどらいと
alexandrite

金緑石クリソベリル)の一変種。宝石名として用いられることもある。1830年代初頭にウラル山中で発見された。太陽光では緑色を帯びた黄色、透明であるが、白熱光では赤色を呈する。変色の原因は微量のCr3+(三価クロム)あるいはやや多量のFe3+(三価鉄)の存在によるとされており、これらはいずれも成分中のAl(アルミニウム)を置換する。現在この名称は宝石名のみならず、太陽光と白熱光で異なった色を呈する金緑石すべてに対して用いられる傾向にある。花崗(かこう)岩質ペグマタイトあるいは黒雲母片岩中の石英脈中に産する。名称はロシア皇帝アレクサンドル2世にちなむ。6月の誕生石

加藤 昭 2015年12月14日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレキサンドライト」の意味・わかりやすい解説

アレキサンドライト
alexandrite

金緑石 (クリソベリル) のうち,特に緑色透明で種々の色調を呈する美晶の高価な宝石。斜方晶系。 1833年,ロシアのウラル地方で最初に発見され,当時の皇帝アレクサンドル2世にちなんで命名された。ウラル地方では雲母片岩中にエメラルドと共生して産出ニューイングランドではペグマタイト中に,ブラジル,スリランカ,ミャンマーでは漂砂鉱床中から産出する。タスマニアジンバブエでも産する。

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