金緑石(読み)きんりょくせき(英語表記)chrysoberyl

翻訳|chrysoberyl

精選版 日本国語大辞典 「金緑石」の意味・読み・例文・類語

きんりょく‐せき【金緑石】

〘名〙 斜方晶系に属する鉱物一つ。美しいものはみがいて宝石となる。アレキサンドライト、サイモフェーン、猫目石など。

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デジタル大辞泉 「金緑石」の意味・読み・例文・類語

きんりょく‐せき【金緑石】

ベリリウムアルミニウム酸化鉱物ガラス光沢のある緑・黄・赤色などで、ふつう短冊状結晶斜方晶系。美しいものはアレキサンドライト猫目石とよばれて宝石になる。クリソベリル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金緑石」の意味・わかりやすい解説

金緑石
きんりょくせき
chrysoberyl

酸化鉱物。宝石鉱物の一つでもある。別称をクリソベリル(略してクリソ)という。また太陽光と白熱光で色が異なるものをアレキサンドライトという。橄欖(かんらん)石族鉱物と同構造。少量のチタンTi)を含むものについては、これが微細な金紅石の含有物によるものとされている。自形は六角形に近い輪郭をもった板状、あるいは双晶により複六角錐(すい)台、一方の尖(とが)った五角板状をなす。花崗(かこう)岩質ペグマタイト、黒雲母(うんも)片岩中に産し、石英長石、白雲母、緑柱石、鉄礬(てつばん)ざくろ石などと共存する。日本では福島県須賀川(すかがわ)市雲水峰(うずみね)や同県石川町などから産する。英名語源はギリシア語で「黄金色のベリル(緑柱石)」に由来する。なお、猫目石は星芒(せいぼう)(光芒ともいう。直線的に二方向へ走って光る筋(すじ))を示す金緑石である。

加藤 昭 2016年3月18日]

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百科事典マイペディア 「金緑石」の意味・わかりやすい解説

金緑石【きんりょくせき】

ペグマタイト,アプライト雲母片岩などから産するガラス光沢の鉱物。板状,短柱状の結晶が多く,斜方晶系。組成はBeAl2O4でFe,Cr,Tiなどを少量含む。硬度8.5,比重3.75。緑,黄,赤など各種色調のものがあり,美しいものは宝石となる。→アレキサンドライトキャッツアイ

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化学辞典 第2版 「金緑石」の解説

金緑石
キンリョクセキ
chrysoberyl

Al2BeO4(126.97).斜方晶系結晶.Al3+ の一部は Fe3+,Ti4+,Cr3+ などの遷移金属イオンに置き換わるものもある.花こう岩ペグマタイト,雲母片岩中などに産出する.淡緑黄色で,美しいものは宝石(アレキサンドライト)として用いられる.人工光で赤色を呈するアレキサンドライトは700~830 nm の波長領域で波長可変レーザーに用いられる.[CAS 12004-06-7]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金緑石」の意味・わかりやすい解説

金緑石
きんりょくせき
chrysoberyl

BeAl2O4 。斜方晶系完面像の鉱物。硬度 8.5,比重 3.7。帯緑色,ガラス光沢。錐面の発達した結晶が多い。特に黄,褐,赤色などの美晶はアレキサンドライトと称し,内部に繊維状の空隙があるため,ねこの目のような変彩を呈するものはキャッツ・アイ (猫目石) と呼ばれて,ともに宝石として用いられる。ウラル地方の雲母粘板岩中や,ニューイングランドのペグマタイト中に産するものが有名で,ブラジルやスリランカでは砂鉱として産する。

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世界大百科事典(旧版)内の金緑石の言及

【クリソベリル】より

…金緑石ともいう。化学成分BeAl2O4の鉱物。…

※「金緑石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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