日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンチゴライト」の意味・わかりやすい解説
アンチゴライト
あんちごらいと
antigorite
いわゆる蛇紋(じゃもん)石鉱物中もっとも普通の種で、蛇紋岩の主要構成鉱物。塊状ないし葉片状で、純粋な塊は滑らかな感触がある。超塩基性ないし塩基性深成岩の鉄苦土鉱物の分解物、スカルンの苦土橄欖(くどかんらん)石、単斜ヒューム石の分解物、カーボナタイト(炭酸塩鉱物からなる火成岩)中の後成鉱物としても産する。なお石英とは共存しない。名称は、産地のイタリアの地名アンティゴリオAntigorioに由来する。
[松原 聰]