アンチゴライト(読み)あんちごらいと(その他表記)antigorite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンチゴライト」の意味・わかりやすい解説

アンチゴライト
あんちごらいと
antigorite

いわゆる蛇紋(じゃもん)石鉱物中もっとも普通の種で、蛇紋岩の主要構成鉱物。塊状ないし葉片状で、純粋な塊は滑らかな感触がある。超塩基性ないし塩基性深成岩の鉄苦土鉱物の分解物、スカルンの苦土橄欖(くどかんらん)石、単斜ヒューム石の分解物、カーボナタイト炭酸塩鉱物からなる火成岩)中の後成鉱物としても産する。なお石英とは共存しない。名称は、産地のイタリアの地名アンティゴリオAntigorioに由来する。

松原 聰]


アンチゴライト(データノート)
あんちごらいとでーたのーと

アンチゴライト
 英名    antigorite
 化学式   Mg6Si4O10(OH)8
 少量成分  Fe
 結晶系   単斜
 硬度    約3
 比重    2.6
 色     淡緑暗緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       二方向に明瞭なこともある
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアンチゴライトの言及

【蛇紋石】より

…名称はヘビの皮のような外観を示すことによる。アンチゴライトantigorite(葉片状),リザーダイトlizardite(塊状),クリソタイルchrysotile(繊維状,電子顕微鏡下ではパイプ状)の3種に分けられるが,これらが混じって出ることが多い。いずれも層状の結晶構造をもち,クリソタイルでは層が湾曲してパイプとなり,アンチゴライトでは波状の層が反転しながら連なっている。…

※「アンチゴライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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