アンチゴライト(読み)あんちごらいと(その他表記)antigorite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンチゴライト」の意味・わかりやすい解説

アンチゴライト
あんちごらいと
antigorite

いわゆる蛇紋(じゃもん)石鉱物中もっとも普通の種で、蛇紋岩の主要構成鉱物。塊状ないし葉片状で、純粋な塊は滑らかな感触がある。超塩基性ないし塩基性深成岩の鉄苦土鉱物の分解物、スカルンの苦土橄欖(くどかんらん)石、単斜ヒューム石の分解物、カーボナタイト炭酸塩鉱物からなる火成岩)中の後成鉱物としても産する。なお石英とは共存しない。名称は、産地イタリアの地名アンティゴリオAntigorioに由来する。

松原 聰]


アンチゴライト(データノート)
あんちごらいとでーたのーと

アンチゴライト
 英名    antigorite
 化学式   Mg6Si4O10(OH)8
 少量成分  Fe
 結晶系   単斜
 硬度    約3
 比重    2.6
 色     淡緑暗緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       二方向に明瞭なこともある
       (「劈開」の項目参照

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最新 地学事典 「アンチゴライト」の解説

アンチゴライト

antigorite

蛇紋石鉱物の中で板状形態をとりX軸方向に波状の超構造をとるもの。板温石とも。基本構造の8倍の長周期をとるものではMg48 Si34O85(OH)62。単斜晶系,格子定数a4.35nm, b0.925, c0.726, β91.38°, 単位格子中1分子含む。X軸方向の長周期は一般3.5~4.5nmである。肉眼では濃緑・淡緑・黄・白の塊状あるいは繊維状。硬度2.5~3.5, 比重2.61(測定値),2.58(計算値)。2V(-)61°。屈折率α1.557, β1.566, γ1.571。かんらん岩が変質してできた蛇紋岩の主成分鉱物として他の蛇紋石とともに産出。広域変成作用を受けた蛇紋岩では単独で産出。名前はイタリアの産地Antigorioに由来。

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参照項目:蛇紋石

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアンチゴライトの言及

【蛇紋石】より

…名称はヘビの皮のような外観を示すことによる。アンチゴライトantigorite(葉片状),リザーダイトlizardite(塊状),クリソタイルchrysotile(繊維状,電子顕微鏡下ではパイプ状)の3種に分けられるが,これらが混じって出ることが多い。いずれも層状の結晶構造をもち,クリソタイルでは層が湾曲してパイプとなり,アンチゴライトでは波状の層が反転しながら連なっている。…

※「アンチゴライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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