アンモニオスサッカス(その他表記)Ammōnios Sakkas

改訂新版 世界大百科事典 「アンモニオスサッカス」の意味・わかりやすい解説

アンモニオス・サッカス
Ammōnios Sakkas

3世紀前半にアレクサンドリアで活躍した神秘主義哲学者生没年出身学統は不詳。〈神より教わりし人theodidaklōs〉という異名をもつことから考え,生来の神秘家だったか,密儀伝授の導師だったらしい。ソクラテスと同様,まったく著作を遺さなかったが,その門下古代末期の三大巨匠を生んだ。新プラトン学派の創立者プロティノス,キリスト教神学者オリゲネス,修辞学者ロンギノスがそれである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモニオスサッカス」の意味・わかりやすい解説

アンモニオス・サッカス
あんもにおすさっかす
Ammonios Sakkas
(175―242ころ)

3世紀のアレクサンドリアの哲学者。「サッカス」というあだ名は、若いころ穀物袋を担いで生活の資を得ていたからだという。書物を書かず、学説を秘密にしたため、学説の内容は知られない。ただ、プロティノスは11年間(232~242)彼に学んで哲学に引き入れられたといわれ、原理思弁にかかわる神秘主義的な哲学を導入し、プラトンアリストテレス一致を説いた人だとみなされる。

[加藤信朗 2015年1月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンモニオスサッカス」の意味・わかりやすい解説

アンモニオス・サッカス
Ammōnios Sakkas

[生]175?
[没]242?
アレクサンドリアの哲学者。プロチノスの師。新プラトン主義創始者一人

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android