アーマー(読み)あーまー(英語表記)Armour & Company

デジタル大辞泉 「アーマー」の意味・読み・例文・類語

アーマー(Armagh)

英国、北アイルランド東部、アーマー州の町。同州の州都。聖パトリックがケルト人キリスト教を布教するための拠点として5世紀半ばに教会を創設。これが現在の聖パトリック大聖堂(アイルランド国教会)になった。西郊にナバンフォートという、ケルト人が築いた古代遺跡がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アーマー」の意味・わかりやすい解説

アーマー(Armour & Company)
あーまー
Armour & Company

アメリカ有数の食肉製造加工会社(ミートパッカー)であったが、1970年代以降の企業買収を経て、現在はアーマー・スウィフト・エックリッチArmour Swift-Eckrichとして、加工食品製造の大手企業コナグラ・フーズの傘下にある。

 1867年、フィリップ・アーマーPhilip D. Armour(1832―1903)がシカゴに設立した豚肉包装会社が創業企業。1869年、カンザス・シティに牛の食肉処理場を開設して製品に牛肉を加え、1878年には精肉缶詰業に進出、1885年に燻製(くんせい)肉の生産を始め、1891年には初のドライ・ソーセージの生産を開始した。1929年にはラジオ全国放送での定期的なCM放送を開始、自社ブランドつきの牛肉を発売するなど、マーケティング面で業界の先陣を切った。

 第二次世界大戦後、1960年代にかけて多角化を進め、膠(にかわ)、医薬品、肥料、せっけんアンモニア工業薬品などの製造を手がけた。その後、コングロマリットによる吸収合併活動が活発化するさなか、1970年、長距離バス輸送などで知られた複合企業グレイハウンドGreyhound Corp.に買収され、その子会社となるが、1983年にコナグラ(後のコナグラ・フーズ)がグレイハウンドからアーマーを買収、コナグラの食肉加工事業の中核とした。1990年にはコナグラが食品大手のベアトリス・フーズの関連事業を買収したのち、ベアトリス傘下のエスマーク(1977年スウィフトから社名変更)、エックリッチとアーマーを統合、食肉加工子会社アーマー・スウィフト・エックリッチを設立した。

[田口定雄]


アーマー(Ayi Kwei Armah)
あーまー
Ayi Kwei Armah
(1939― )

ガーナの小説家、文明評論家。ガーナ大学、アメリカのハーバード大学、コロンビア大学を卒業。1963年にアルジェリアに渡ったが、過度の神経衰弱にかかり入院、帰国後教師をしながらテレビドラマの脚本を書いた。一時期パリで雑誌『ジュヌ・アフリーク』の編集に従事。のちアフリカ、アメリカの大学で教え、1990年代はセネガルで過ごした。ガーナ独立後白人にかわって支配層に収まった「白いアフリカ人」たちの尊大さ、乱脈、奢侈(しゃし)をやり玉(だま)にあげた処女作『美しきもの、いまだ生まれず』(1968)で一躍有名になる。『断片』(1970)、『なぜにわれら、かくも祝福さるる』(1972)で、引き続き現代アフリカ社会の退廃に幻滅をぶちまけ、「美しきもの」をおのずと過去に追求する姿勢を示すようになり、その後の小説『二千の年季』(1973)、アシャンティ王国滅亡の悲史を背景とする代表作『ヒーラーたち』(1978)で、アフリカに固有の伝統的価値体系の発掘を目ざす。また、アイシス――オサイリス(イシスオシリス)神話を下敷きにした『立ちあがるオサイリス』(1995)では、こうしたアフリカの過去と現在の悲劇を検証しながら、至福の未来の到来を夢みている。一方、文明評論家としては、雑誌『ウエスト・アフリカ』『プレザンス・アフリケーヌ』などで、伝統文化擁護の立場から、活発な論陣を張っている。

[土屋 哲]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アーマー」の意味・わかりやすい解説

アーマー
Armagh

イギリス北アイルランド南部の都市,および地区(district council area)。地区の行政府所在地。アイルランド語では Ard Mhacha。旧アーマー県の一部。アーマー県はアイルランド独立に際してイギリス統治下にとどまったアルスター 6県の一つ。町は要塞化された丘を中心に発展し,5世紀に聖パトリックが活動拠点となる教会を設立した。16世紀にイングランド人(プロテスタント)の入植地となり,続いて王立学校(1627),図書館,天文台(1765)など多くの教育機関が開かれた。アーマーにはアイルランド教会(アングリカン・チャーチ)大主教座とカトリック大司教座の両方が置かれている。商業の中心地で,繊維,化学,光学,食品加工業が行なわれる。アーマー地区は 1973年の自治体再編により設置され,北西はダンガノン・サウスティローン,北東はクレイガボン,東はバンブリッジ,南東はニューリー・モーン,南西はアイルランドに接する。ネー湖の南に位置し,北部は低地,南部は丘陵,山地からなる。北部の低地は肥沃な農業地帯で,果樹栽培が盛ん。軽工業が行なわれるが,かつて主要工業であったリンネル工業は化学繊維の発達のため衰退した。アイルランドに接する南部は 20世紀後半,カトリック系住民とプロテスタント系住民の抗争の温床となっていた。地区面積 676km2。地区人口 5万4876(2004推計)。都市人口 1万4590(2001)。

アーマー
Armagh

イギリス北アイルランド南部の旧県名。アイルランド独立に際してイギリス統治下にとどまったアルスター 6県の一つ。1973年アーマー地区と,クレイガボンニューリー・モーンの各地区の一部に分割された。

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改訂新版 世界大百科事典 「アーマー」の意味・わかりやすい解説

アーマー
Armagh

イギリス,北アイルランド南部の同名県の県都。人口5万5400(2003)。聖パトリックが5世紀にこの地を宗教の中心都市と定めて以来,アイルランドの聖地とされた。地名は〈崇高なところ〉という意味のアイルランド語に由来するといわれる。カトリック,プロテスタント双方の大司教(監督)座が置かれている。9世紀にたびたびデーン人の襲撃をうけ,中世には衰退したが,17~18世紀に王立の学校,図書館,天文台が建設されて復興した。リンネル・木綿工業が盛んで,交通の要衝であるため市場町としても栄えている。
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367日誕生日大事典 「アーマー」の解説

アーマー

生年月日:1832年5月16日
アメリカの精肉業者,穀物商
1901年没

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