イソ酪酸(読み)いそらくさん(英語表記)isobutyric acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソ酪酸」の意味・わかりやすい解説

イソ酪酸
いそらくさん
isobutyric acid

脂肪族カルボン酸の一つで、酪酸の異性体。別名ジメチル酢酸。不快なにおいをもつ無色液体で、水には難溶であるが、エタノールエチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。実験室的には、イソブチルアルコールをアルカリ性で過マンガン酸カリウムにより酸化すると得られる。

 天然にはイナゴマメやアルニカの根に遊離またはエステルとして存在する。エステルには芳香のあるものが多く、天然に精油の成分として存在する。

[廣田 穰]


イソ酪酸(データノート)
いそらくさんでーたのーと

イソ酪酸

 分子式  C4H8O2
 分子量  88.1
 融点   -47℃
 沸点   154.5℃
 比重   0.9483(測定温度20℃)
 屈折率  (n)1.3930
 解離定数 2.3×10-5

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソ酪酸」の意味・わかりやすい解説

イソ酪酸
イソらくさん
isobutyric acid

ジメチル酢酸のこと。化学式 (CH3)2CHCOOH 。植物精油中に遊離酸またはオクチルエステルとして存在する液体。沸点 154℃。水に難溶。イソプロピルアルコールからニトリルを経て,加水分解によって合成することもできる。

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