日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソ酪酸」の意味・わかりやすい解説
イソ酪酸
いそらくさん
isobutyric acid
脂肪族カルボン酸の一つで、酪酸の異性体。別名ジメチル酢酸。不快なにおいをもつ無色の液体で、水には難溶であるが、エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。実験室的には、イソブチルアルコールをアルカリ性で過マンガン酸カリウムにより酸化すると得られる。
天然にはイナゴマメやアルニカの根に遊離またはエステルとして存在する。エステルには芳香のあるものが多く、天然に精油の成分として存在する。
[廣田 穰]