ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブン・サウード」の意味・わかりやすい解説
イブン・サウード
`Abd al-`Aziz ibn `Abd al-Rahman ibn Faisal al Sa`ūd
[没]1953.11.9. アッターイフ
サウジアラビア王国の建設者 (在位 1932~53) 。「砂漠の豹」と呼ばれた。 1891年南下した北ナジドのイブン・ラシード家にリヤードを占領され,父のアブドゥル・ラフマーンとともにクウェートへ亡命した。 1902年 15名の部下とともにリヤードを奪回し,07年にオスマン帝国から総督の称号を授与され,さらに 20年にはヒジャーズ王国のフセインと戦ってアラビア半島全域を手中に収めた。イフワーンと称する武装宗教団体を創設して領土拡張を行うとともに,厳格な復古主義を奉じるワッハーブ派の宗旨に基づいて王朝を再編成し (→ワッハーブ派運動 ) ,32年には国名をサウジアラビアと改めた。 33年以来,スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア (のちのアラムコ ) をはじめとする欧米の石油会社に採掘権を与え,その権利金が国家の主要な財源となった。
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