改訂新版 世界大百科事典 「イボクサ」の意味・わかりやすい解説
イボクサ
Murdannia keisak(Hassk.)Hand.Mazz.
西南日本の池畔,田のあぜなどに普通にみられる雑草的なツユクサ科の一年草。茎は横にはい,節からひげ根を出す。盛んに分枝し,側枝は立ち上がって葉をつける。葉とともに帯紫色。葉は2列互生,鞘(さや)があり,茎をつつむ。花は8~9月,葉腋(ようえき)に1個つき,外花被片は緑色で宿存性,内花被片は少し紫みを帯びた白色で軟らかく早落性。本州,四国,九州,沖縄,朝鮮半島,中国大陸に分布する。北アメリカにも帰化している。いぼにつけるといぼがとれるという。また食用にされることもある。沖縄には熱帯アジアの雑草である近縁種のシマイボクサM.nudiflora(L.)Brenanが分布する。
執筆者:矢原 徹一
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