ロシアの昔話の代表的な主人公のひとり。Ivan-durachokともいう。ほとんどの場合,百姓の3人息子の末弟として,魔法昔話や笑話などさまざまなタイプの昔話に登場する。かしこい兄たちと異なり,イワンは“馬鹿”とさげすまれながら無為の日々を送っているが,あるとき突如として無意識の善意が報われたり,あるいは常人の思い及ばない知恵を発揮したりして運命が激変し,結局のところ王女と結婚したり,莫大な富を手に入れたりする。兄たちに代わって父の墓の前で夜番をし,その褒美として与えられた馬のおかげで王女の夫となる〈栗毛・葦毛の駒〉などが最もよく知られる。作家のレフ・トルストイにも同名の民話的作品があるが,そこでは作者の倫理観が前面に押し出されていて,主人公のイワンは底ぬけの善意と無類の勤勉さという肯定的な性格を与えられ,教訓臭がきわめてつよい。
執筆者:中村 喜和
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