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無意識 むいしき unconscious

翻訳|unconscious

7件 の用語解説(無意識の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

無意識
むいしき
unconscious

記述的,局所的,力動的の3つの使い方がある。記述的には,ある時点で意識されない事象ないし行動をさす。局所的には,意志によって意識化できる局所を前意識と呼び,これに対して,抑圧を解く操作 (催眠など) によって初めて意識化可能になる局所を無意識という。

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知恵蔵2015の解説

無意識

フロイトによって創始された精神分析学の基本概念。無意識の概念は、人間の理性や意識がそのコントロールを超えたものによって支配されていることを示し、人間は理性的であるとした近代的人間像や意識を重視する哲学に大きな衝撃を与えた。まずフロイトは、身体に異常がないにもかかわらず歩けない等の症状が現れるヒステリー患者の治療を通じて、患者のうちに本人が認めたくない欲望があることに気づいた。心には、かなえられなかった欲望が意識に上らないよう抑圧されている。この抑圧された欲望が「無意識」とされ、ヒステリーの原因と考えられた。フロイトは、抑圧された欲望の記憶を想い出させる治療法を試みたが、患者のなかには、口では「治りたい」というにもかかわらず、抑圧された欲望を話さず抵抗する者が出てくる。そこで後期のフロイトは、患者の抵抗自体が無意識的なものであることに気づき、無意識のなかに欲望を抑圧するはたらきもあると考えた。そこで提出されたのが、「自我」「エス」「超自我」というモデルである。エスは抑圧された無意識の欲望、超自我は親の命じたルールが身につき無意識化されたものを意味する。自我はエスと超自我の葛藤の調停をはかる。こうして、患者の抵抗は、超自我の命令によるエスの抑圧、自我による調停の失敗として説明された。

(石川伸晃 京都精華大学講師 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

む‐いしき【無意識】

[名・形動]
意識がないこと。正気を失うこと。「―の状態が続く」
自分のしていることに気づいていないこと。また、そのさま。「―に足が向く」
精神分析学で、意識下の領域、種々の人間現象の背後にあって影響を与える混沌(こんとん)としたもの。催眠自由連想投影検査、麻酔などの薬物作用によってのみ表出が可能となる。潜在意識

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百科事典マイペディアの解説

無意識【むいしき】

(1)意識のない状態。(2)フロイトの精神分析では,精神過程の一部分として意識と前意識(意識されていない考えや空想や記憶で,比較的容易に意識される)に対置されるもので,意識化された精神活動の基底にあり,イドと抑圧された観念からなるとする。
→関連項目エディプス・コンプレクスエレクトラ・コンプレクス深層心理学精神分析ハルトマン抑圧

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世界大百科事典 第2版の解説

むいしき【無意識 unconscious】

一般的には現在の意識野に現れてこないすべての心的内容をいうが,特にS.フロイトの精神分析理論において重要な地位を占める概念。K.ヤスパースによれば,無意識には,根本的に意識化することの不可能な意識外の機構(すなわち精神的なものの下部構造)と目下は無意識だが〈気づかれるようになりうるもの〉との二つがある。これに従えばフロイトの唱える無意識は,あくまで後者の,さしあたり現在の心の中には認められぬものに属する。

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大辞林 第三版の解説

むいしき【無意識】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
意識がないこと。気を失っていること。 「 -状態」
自分のしていることに気づかないこと。意識しないでしてしまうこと。また、そのさま。 「 -に手を動かす」 「 -に他人を傷つける」
〘心〙 通常は意識されていない心の領域・過程。夢・瞑想・精神分析などによって顕在化(意識化)される。潜在意識。深層心理。 → 前意識 〔unconciousness の訳語〕

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無意識
むいしき
unconscious

意識に基づいて心を理解しようとする意識心理学に反対するフロイトの精神分析の基礎的概念。記述的な意味と場所論的な意味をもっている。記述的用法は「無意識的」というように形容詞として使われる場合で、この意味では意識されないものはすべて無意識的である。一方、名詞として使われる場合は、フロイトの場所論(局所論ともいう)における意識、前意識、無意識からなる心的装置のなかの無意識のことをいう。精神分析の初期では、無意識は抑圧されたもの、意識から追放されたものによってつくられていると考えられたが、このような抑圧が可能になるためには排除される場所がなくてはならず、あらかじめ原抑圧があるという仮定が必要になった。したがって、無意識はただ抑圧されたものというだけでなく、無意識として独自の場所(体系)をもつものと考えられるようになった。これが、心を一つの装置とみなして、三つの場所、すなわち無意識、前意識、意識からなるという場所論である。
 記述的には無意識と前意識は区別されないが、場所論的には両者は内容によって区別される。無意識は衝動を代理する表象から成り立ち、かつ自由に移動しうるエネルギーをもっているとみなされる。この無意識を典型的に表しているのが夢である。無意識は衝動のエネルギーをもっているので、絶えず意識あるいは行為として衝動を満足させようとしている。抑圧されたものは絶えず逆戻りして、意識に表れようとしているのである。この無意識の衝動は抑圧されたものである限り、衝動表象はそのままの姿では意識に表れることができず、意識に受け入れられるように歪曲(わいきょく)され、変容される。夢や病の症状は、こうした変容を受けたものである。無意識は意識と異なり、「……ではない」という否定もなく、時間もなく、破壊されることもなく、現実を顧慮することもなく、願望を充足しようとする快感原則が支配していると考えられる。これを一次過程とよび、前意識は二次過程に支配されるものとして区別される。
 二次過程は、現実を顧慮する意識的・論理的な過程であり、現実に適応することを目的に発達する。無意識は「もの」表象から成り立っているのに対して、前意識は「もの」表象と「語」表象から成り立つとも考えられる。フロイトの精神分析の後期(1920年以降)には、無意識、前意識、意識の場所論はエス(イド)、自我、超自我の三つの場所(審級)からなる新しい自我論に修正された。おおむねエスは無意識に対応しているが、前意識と意識は自我あるいは超自我に対応しているわけではない。新しい場所論は無意識の概念を不用にするものではない。どこまでも無意識から意識を理解しようとするのが、精神分析の一貫した考え方である。ユングにおいては、無意識は個人的無意識と集合的無意識に分けられ、無意識は創造的活動の母胎と考えられる。[外林大作・川幡政道]
『シャリエ著、岸田秀訳『無意識と精神分析』(1970・せりか書房) ▽フロイト著、井村恒郎訳「無意識について」(『フロイト著作集6』所収・1970・人文書院) ▽C・G・ユング著、高橋義孝訳『無意識の心理』(1977・人文書院) ▽鈴木晶著『フロイトからユングへ――無意識の世界』(1999・日本放送出版協会) ▽イグナシオ・マテ・ブランコ著、岡達治訳『無意識の思考――心的世界の基底と臨床の空間』(2004・新曜社)』

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世界大百科事典内の無意識の言及

【検閲】より

…S.フロイトの用語。夢では覚醒時にくらべて無意識的内容が浮上しやすくなるが,それでも無意識的内容が前意識―意識系に到達することを禁止したり抑制する機能が働いている。この機能を検閲という。…

【心理学】より

…(3)肉体なくして精神はないが,精神のない肉体も考えられず,肉体を動かしているものこそ精神であると考える立場。また,精神と意識を同一視する立場や,無意識を考える立場もあり,ましてや,精神を研究する方法論に至っては,それを不可能であるとする立場もあって,まったくさまざまである。 近代において一応学としての心理学らしきものがはじまったのは,イギリスの経験論にもとづくロック,D.ヒュームらの連合心理学からである。…

【精神分析】より

…これは神経症患者を寝椅子に横臥させて,そのさい脳裡に浮かぶいっさいを自由に語らせる一方,治療者はこれに対していっさいの先入見を排して,患者の物語る連想にまんべんなく聴き入ることを基本とする治療法である。フロイトは,幼児期に源泉をもつ,抑圧されて無意識となった葛藤を神経症の病因と仮定したから,この自由連想法が患者の無意識的葛藤の存在を探り出すのに最良の方法と考えたのである。 さて,治療の実際は,たとい順調にはじめられたようにみえても,早晩,患者の連想はとどこおるようになる。…

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