インダンスレン
- 〘 名詞 〙 ( [英語] indanthrene ) コールタールを原料としたアントラキノン系染料。色調に富み、色があせにくい。スレン染料。「インダンスレン染料」
- [初出の実例]「その後に藍などよりも強いインダンスレン、ヒドロン、ナフトール染料などが、続々発見せられたにも拘らず」(出典:最新実用衣服と整容法(1928)〈青木良吉〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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インダンスレン
indanthrene
化学名はインダントロンindanthrone。黒みがかった青色粉末で建染染料の一種。1901年ドイツのボーンR.Bohnにより発明された最初のインダンスレン染料で,現在も青色建染染料(インダンスレンブルーRSまたはRSN)および高級有機顔料として使用されている。日光,洗濯に対して最高の堅牢度をもつ。2-アミノアントラキノンまたは1-アミノアントラキノンのアルカリ融解で生成する。

工業製法としては,2-アミノアントラキノンを苛性カリおよび無水酢酸ナトリウムから成る融解剤中で酸化縮合する。
執筆者:新井 吉衞
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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インダンスレン
indanthrene
単にスレン染料ともいう。アントラキノン系芳香族多環構造をもつ。堅牢な建染め染料 (バット染料) の一群の総称。主として木綿に使われるが,紙や絹,羊毛に使われるものもある。色相が鮮明でしかも豊富であり,アゾ染料と並んで重要な位置を占めるが製造がむずかしく,価格は比較的高価である。大部分はアントラキノンおよびアントロンの誘導体でアントラセンなどを原料とし,多段階反応を経て合成されるが,チオインジゴ誘導体もある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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インダンスレン
インダンスレン
indanthrene
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のインダンスレンの言及
【合成染料】より
…しかし工業的な意味では,繊維を染色する染料,着色を目的とする有機顔料においては,天然染料は完全に合成染料に置きかえられてしまった。合成染料は1856年イギリスのW.H.パーキンがアニリンから赤紫色染料[モーブ]を合成したのが端緒になり,80年にはドイツのJ.F.W.A.vonバイヤーにより天然の藍の主成分である[インジゴ]が合成され,4年後にはベッティガーP.Böttigerにより赤色の直接アゾ染料である[コンゴーレッド]が,さらに1901年にはドイツのボーンR.Bohnにより青色の高級建染染料であるインダントロン([インダンスレン])の合成が行われた。これらはいずれも,合成染料の歴史上画期的な出来事であった。…
※「インダンスレン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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