日本大百科全書(ニッポニカ) 「インフェルト」の意味・わかりやすい解説
インフェルト
いんふぇると
Leopold Infeld
(1898―1968)
ポーランドの物理学者。クラクフに生まれ、同地のヤギェオ大学を卒業。1920年、ベルリンでアインシュタインの指導の下に一般相対論をテーマとする博士論文に取り組んだ。1929~1933年リボフ(リビウ)大学に勤め、1933年にはファン・デル・ワールデンBartel Leendert van der Waerden(1903―1996)と共同でスピノル解析に関する研究を行った。1936~1938年にはアメリカのプリンストン高等研究所で、アインシュタインとともに一般相対論における物体の運動方程式の表式、天体運動の相対論的な補正などを研究、また、有名な啓蒙(けいもう)書『物理学はいかにして創られたか(ぶつりがくはいかにしてつくられたか)』The Evolution of Physicsも共同で著した(1938年。岩波新書に邦訳あり)。1950年からワルシャワ大学教授となり、ポーランド科学アカデミーで理論物理学をリードし、パグウォッシュ会議にも参加して活躍した。
[高山 進]