うるささ指数(読み)うるささしすう

共同通信ニュース用語解説 「うるささ指数」の解説

うるささ指数

航空機の「うるささ」を評価する国際的な単位。「W値」と呼ばれ、日本では1973年から採用された。騒音の継続時間や頻度ほか、時間帯を考慮して算出。騒音の程度がひどいほど数値は大きくなる。基地の騒音を巡る各地訴訟では、W値75以上の地域を対象として国に損害賠償を命じる司法判断定着。2013年には、海外で主流となっている「Lden」(エルデン)に単位が変更され、より実態に即した評価が可能になった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「うるささ指数」の意味・わかりやすい解説

うるささ指数
うるささしすう

航空機の騒音を評価する指標の一つ。加重等価平均感覚騒音基準weighted equivalent continuous perceived noise levelの通称である。W値やWECPNLと略される。加重等価継続感覚騒音レベルともいう。個々航空機騒音の最大値を平均した値に、深夜から早朝の騒音は昼間の10倍とするなど昼夜の別により発生回数を補正して算定される。航空機独特の騒音が人の生活に与える影響を評価するため、1971年に国際民間航空機関(ICAO(イカオ))が示した騒音レベルの評価指標であるが、1985年に等価騒音レベルの時間帯補正等価騒音レベルLden(エルデン)を採用。日本では1973年(昭和48)に公害対策基本法に基づく航空機騒音にかかわる環境基準が設けられ、WECPNLを評価指標としていた。しかしLdenが国際的主流となるのにあわせ、2007年(平成19)に環境基本法に基づいて航空機騒音にかかわる環境基準が改正された結果、2013年4月から評価指標はLdenに移行した。

[編集部]

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