生薬(しょうやく)の浸出液を濃縮してつくった製剤。すなわち、草根木皮を用いた植物性生薬または動物性生薬の薬効成分を水やアルコールなど適当な溶剤で浸出し、その浸出液を蒸発させて半固形または固形としたものをいい、半固形のものを軟エキス剤、固形のものを乾燥エキスという。この目的は生薬成分を濃縮して容積を小さくし、比較的均一な調剤や製剤に便利な形として保存することである。欠点としては原料生薬の良否、製造過程での有効成分の分解などが問題になるほか、軟エキス剤では保存中の発酵やカビ、あるいは品質のばらつきなどの欠点がある。
生薬を冷浸または温浸、あるいはパーコレーション法で浸出した液を濾過(ろか)し、その濾液を85℃以下でなるべく減圧下で濃縮し、水飴(みずあめ)様の粘稠度(ねんちゅうど)としたものが軟エキスであり、さらに濃縮して冷却し、砕きうる程度になったものを50℃以下で乾燥して冷却後、砕いて均一な粉末としたものが乾燥エキスである。日本薬局方には甘草(かんぞう)エキス、甘草粗エキス、ホミカエキス、ロートエキスが収載されており、ホミカエキスとロートエキスには調剤に便利な散剤がある。
エキス剤によく似た剤形に流エキス剤がある。これは生薬を同様に浸出したものであるが、生薬1グラムを1ミリリットルに含むようにつくられたもので、エキス剤よりも流動性が大である。また、最近、各種生薬をエキス剤として製剤原料としたり、漢方の処方をエキス剤の形としてつくり、さらに顆粒(かりゅう)剤や細粒剤、カプセル剤などとして内服に便利な形として市販されるものが多くなった。
[幸保文治]
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